九十二羽 ☆ リュリュエル、奥義!

ほころび?

……なんとなくどっかの誰かのせいな気がするのは気のせい?

リュリュエル?」


「ピ〜ピピ〜ピ〜♪」


「やっぱりあんたかい! 口笛吹くな! ごまかすな!」

「マオ様にえいやあって穴を開けてもらっちゃいました!」


「えいやあじゃないわ!

まあいいわ。あんたの鍛え上げられた脚、その羽の形からするに、ヤミエルと違って武闘派ね?」


「ヤミエル? ああ、精神系の堕天使か。あんな軟弱なやつと一緒にしないでちょうだい!

てめえこそ、その羽の形。どうやらご同類のようね?」


「あんたを倒せば、肉弾魔軍は帰るのかしら?」

「さあねぇ〜〜〜。やってみれば?

あんたみたいなねんねに負けるなんて、絶対にありえないけどな!」


「ふん! あばずれが吠えづらかくんじゃないわよ!?」

「はっ! ほめ言葉さ! おむつもとれないねんねが粋がってんじゃねえよ!」


「ふわああああ!

視線がバチバチ、お二人の世界が広がってますぅ〜!」


「わたしは拳の天使フィスエル、7級よ!

名乗りなさい!」


「どうせ消滅するのに知ってどうするのかねぇ!

いいだろう! 教えてやるよ!

あたしは、蹴の堕天使シューティエル!

級なんてもんに縛られる、てめえたちとは違うのさ!」


「やっぱり脚技! おもしろいじゃない。

あんた……だいぶやりそうね?

拳と脚、どっちが強いか試してみない?」

「あは! その口か! いいだろう! つきあってやるよ!」


「最初から本気でいくわよ!(でないと勝てない!)

ふぅ。

エンジェルリミッター解除を申請!

………………お願い、きて……」


……………………


「きた!!! オーバースキル解放!

…………フィスエル流、奥義! 天極拳!」

「はあ〜〜〜〜〜〜〜!

シューティエルが蹴りの極致! 天蹴脚!」


「わ〜。すっかり、とある世界のバトルマンガですぅ〜。

なんだかお二人とも、白く、黒く、光り輝いて目にも止まらなすぎる動き!」


燃える拳打! 煌めく掌底しょうてい

四つの拳で繰り出す、四天拳!

ときおり鉄山靠てつざんこうなど!


四本の脚で繰り出す流れるような百連脚!

天空ダブルかかと落とし!

連撃旋風脚! 脚技が黒く光り輝く!


フィスエルは、とある世界のハッキョークケーンやターイキョークケンなど!

シューティエルは、とある世界のカッポエイリャーやテッコンドドゥーなど!


「とってもかっこよくて、とっても強そうな武術などで戦い始めちゃいましたが、ボクにはなんだかよくわかりませ〜ん!

シャオ様たちはボクと一緒に避難してましょうね!」

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