八十五羽 ☆ リュリュエル、聖水!

「はあ〜。長旅の疲れを癒す風呂がめちゃくちゃ気持ちいい〜」

「りふれっしゅ〜」


「一体いつになったら着くんだか。

このお湯の香りがなんとも。ビニールプールだけど最高!!!」

「おふろ〜、さいこ〜」


「アヒルで遊んでる、シャンプーハットでワンピースなリュリュエルさん、毎日風呂用意してくれて、背中流してくれて、ありがとな!」

「どういたしまして! マオ様の故郷のお方たちはお風呂大好きですもんね!」


「前にも思ったけどさ、このお湯ってどっから出してるの?」

「エンジェルバッグですよ。ボクが作った聖水を熱々にしました!」


「へ〜。……聖水なんてどうやって作るんだ?」

「ひ・み・つ! きゃっ♡ 想像にお任せしま〜す」

「おまかせ〜」


「急に怪しさを感じるのは気のせい!?」




「リュリュエルが来てくれてから、もう半年経っちゃったのに、まだ着かないかなあ? 」

「マオ様と一緒が楽しくて、あっという間でしたね!」


「もう、時間も場所も感覚がおかしいよ〜」


「言われてみれば確かになんだか不思議な感覚ですエンジェリックア〜〜〜イ!

マオ様、この辺りをせ〜まちゃんで、えいってやってもらっていいですか?」


「? ああ。聖魔剣スラ〜〜〜ッシュ! ぐあああ!?」

「てふてふぱうだ〜」

「さわやか!」

「今度はあっち。そっちも。そうそう、じゃあここも」

「おう! でもなんのために!? 痛いの嫌なんだけど!?」




「やっと! やっと、ふもとに着いた〜〜〜!

ガッツポーズ100連発!」

「がっつぽ〜ず〜」


「空気がうまい!」


「聖なるマイナスイオンがビンビンです!

長い道のりでしたね! 道々、マオ様が倒した魔獣肉や、森や川の幸などでエンジェルバッグがホクホクです!」

「そういえば、リュリュエルの手料理うまかったな! 前はあんなにろくでもないと思ったんだけどな〜」


「やっとボクの隠し味にマオ様の味覚が目覚めてくれたんですね!

見てください! 地獄の猛火ハバネロに地獄の極寒アイスプラント! お料理するのが楽しみです!」


「そんなの食べさせるつもりだったりしたの!?」

「おいしそ〜」

「てふてふさん!?」




「マオ様! 大樹を見てください! なかなかの絶景ですよ!」

「おおおお〜!!!」


「大きすぎる大樹! いくつものウロを利用したお住まい。樹皮を利用した階段。

つる植物が緑のカーテンのようになっていて、赤藤ランプや青藤ランプがイルミネーションのように輝いています! 樹の股から注ぐ水流は小川になるほど!

そのほかいろいろ、なんていうイリュージョン!」

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