リュリュエル ☆ 爆誕の十一

八十三羽 ☆ リュリュエル、迷子!

「もういやだよ〜。疲れたよ〜。人に会いたいよ〜」

「てふてふが〜、いっしょ〜」


「そうだな! てふてふがいてくれるからな、さみしくはないよ。

でもな……俺は人とお話ししたいんだ! 特に女子! おっきくてもちっさくてもいい!」


「じょし〜、まおえっち〜」


「えっちじゃないよ!?

妖精郷を出発してから、たぶん2年!

この森は一体どこまで続いているんだ〜〜〜〜! だ〜、だ〜、だ〜。

だ〜れ〜かっ! 教えて〜〜〜〜〜! て〜、て〜、て〜」


………………。


「おしえて〜」

「くぅっ! 涙が止まらない!」

「あ〜、まじゅう〜」


「聖魔剣スラ〜〜〜ッシュ! よし! おどろおどろしたでかいクモを一撃!

ぐは!? 背、背骨が粉々!? 立てない!?」


「てふてふぱうだ〜」

「すっきり!

だけど、なんで前よりダメージすごくなってるんだ? シクシク」


「まじゅうのおにく〜」


がぱっ!

ベキボキ!

ガキガキ!

ゴキゴキ!

ごっきゅん!


「相変わらずの凶悪顔!

今日でもう何十体目? その小さな体で全部食べれちゃうのっておかしくない!?」

「てふてふは〜、ふ〜どふぁいた〜」


「なるほど……って、手のひらサイズの妖精が食べれる量をはるかに超えてるよね!?」


「りゅりゅ〜が〜、すきるくれた〜

たべると〜、こなこながいっぱい〜」


「そうだったんだ。てふてふがいないと天国行きだ。ありがとな!」

「てんごくいく〜? おにくおいしい〜」

「行きたくはないよ!?

いいなあ、生肉うまそうに食べて。久しぶりにリュリュエルに会いたいな〜」


「ボクの手料理はいかがですか?」

「うっわあああああああああああ!?

びっくりした! って、リュリュエルじゃないか!」


「はい! お久しぶりです、マオ様!」


「う、うわああああぁん!

久しぶりの女の子成分! リュリュエルでもうれしい〜〜〜!

リュリュエルの手料理でいいから食べたい〜〜〜!」

「今のボクは男の子ですよ?」


「え? そうなの? でもうれしい〜〜〜!」

「そんなに抱きついたら恥ずかしいですよ。男同士だとなんかアレなので女の子になっちゃいます! きゃ!

ほら、メッですよ!」

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