六十羽 ☆ リュリュエル、感謝!
「ラナ様、いま緊縛をときます」
「ありがとう、クノ! きつかった〜!」
「……」
「何見てるのかな? ユウ?」
「ユウ様、お顔が真っ赤ですね!」
「ごめん!
王様たち、意識が戻らないぞ? これどうするんだ?」
「王様さんたちの頭の上で、かわいいボクたちがニコニコしてます!」
「ラナ、スキルを解除できるか?」
「え!? どうしよう。スキルなんてはじめて使ったし、わかんないかも」
「ラナ様。ユウ様の剣に愛を込めた聖力を付与できませんか?」
「やってみる!
スキル<愛ある限り 思うがままに変わる聖なる世界>!」
「うわお! ユウ様の剣が聖剣になりました!」
「すげえ……死んだ親父が鍛えた剣が光ってる!」
「さあ! お父上さま譲りの聖剣で繰り糸をぶっちぎっちゃってください!」
「親父……わかった! でやああああああああああ!」
「聖剣の聖力にのせて、ユウ様のスキル<前方両断><一刀必中>が炸裂!
一刀で次々に、繰り糸を切断!
ついでに王城もぐるっと切断!」
「王城も!?」
「さっきまでの戦いでそこそこ両断されてましたしね。
上部が斜めにスライドしていきます!」
ズゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!
ズシャーーーーン!!!
「きゃああああ!?」
「ラナ様! お手を!」
「玉座の間が空に丸見え!
長かった夜も明けて、朝日がまぶしいですね!」
「リュリュエルの形をした幽霊たちが解放されていくわ!」
「なんかすげー笑ってるな……すげー怖い」
「チミちゃんから自由になってうれしいんですね!」
「勇者ユウ・シャニナールよ。この王国で渦巻いていた陰謀からよくぞ我らを救ってくれた。
王国を代表して感謝を申し上げる。
そして、愛しい娘と日々をともに歩んできてくれたこと。
魔族と手を結んだ宰相からよくぞ娘を守ってくれたこと。
一人の父として感謝を申し上げる。
ありがとう」
「結局、やさしい顔した宰相さんがず〜〜〜っと裏でいろいろ悪いことしてたんですね!」
「そんな!? 王様、頭を上げてください!
お城を両断しちゃったりしてるし!」
「いや。あのままであれば、諸国を巻き込んだ大戦争になっていたであろう。
そうなれば、魔族に利することになっていた。
青空を見ながらの式典もおつというもの。
城の一つや二つ……シクシク」
「やっぱりダメですよね!?」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます