五十九羽 ☆ リュリュエル、発動!

「クノ! ユウ! だめ、やめて!

わたしの大切な人たちをこれ以上、傷つけないで〜〜〜!」


「愛する人の絶体絶命! キツキツ緊縛!

身も心も追い詰められたラナ様の悲痛な叫び!

ボクが授けた、ラナ様のスキルがとうとう発動!

スキル<愛ある限り 思うがままに変わる聖なる世界>!」

(七話、参照してください!)


「ぬいぐるみの幽霊たちが……みんなリュリュエルになっていくぞ!?」


「なんなのだのだのだ!?

チミちゃんの大事なゆ〜れ〜たちがとられちゃったのだ〜!?」


「ふぅうわあ〜〜〜!

かわいいボクがいっぱいです!

リュリュエル幽霊の皆さん、反撃です! 突撃〜〜〜!」


「リュリュエル、笑顔がニッコニコ! すっごい楽しそうだな!?」


「くっ!? なんだと!?

こっちに来るな! 追いかけてくるな!

俺を攻撃するな!」


「いっぱいのボクに操られた王様さんや貴族さんたちが、ヤミエルに攻撃をはじめました!

盛大に追いかけっこしています!」


「チミ! どうなってる!?」

「玉座の間に充満させてたチミちゃんの闇力が、浄化の聖力で清められちゃったのだ!」


「なんとかしろ!」

「ん〜……なんともなんないのだ!

うぇ! 気持ち悪い! チミちゃん、このお部屋にいたくないのだ!

おもちゃ、とられちゃったし!

魔王様のところに帰るのだ〜!」


「くっ! 待て! 俺も連れてけ!」

「しょうがないな〜。闇闇ゲート〜。

みんなじゃあね〜、またチミちゃんと遊ぶのだ〜!」


「遊びだったの!? こんな迷惑な遊びはいらないよ!?」


「今回はしてやられたが、興味深いものを手に入れることもできた!

次はこうはいかない!

混沌と恐怖に満ちた世界にするために、俺はまたやってくる!

覚悟しておけ、でたらめ天使!

くははははははっ!」


「覚悟なんてしませ〜ん!

この王国を乗っ取ろうとしていた魔王の手先を撃退できました!

ちょっと期待過剰な聖王女勇者様、ここに爆誕です!」


「ラナ!」

「ユウ!」

「お二人とも感動のチューをしてもらってもいいんですよ?」

「そんなもんするか!」

「しないの、ユウ?」

「ラナ!? しちゃっていいの!?」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る