五十六羽 ☆ リュリュエル、大登場!
「さすが勇者ユウ様!
展開をいまいち飲みこめていませんが、お急ぎですね。
飛んでいきましょう!
エンジェルキュア〜&エンジェルウイ〜〜〜ング!
翼がばさっと大きくなりました!
お二人をガシガシッと! ドピュッとビューンです!」
「うわ!? うわわ!? うわあああああ!!!」
「ふわ!? ふわあ!? ふわあああああ!!!」
「運命とはかくも。
そんな欲望を満たすと感じさせてくれる」
「あなたは……この国の宰相様!
なぜわたしを!?」
「まさかあのようなところにいようとは。
ゴブリンによって壊滅した小さな村が、あっという間に大きな街に発展してくれたおかげだ。
話題の街に、人の出入りが増えれば見つけることもたやすいというもの。
ラナ姫。いや、継承権争いから身を隠した第一王位継承者ラルーナ王女」
「わたしを守ってくれた人たちを傷つけるなんて!
宰相様! あんなにやさしい人だったのに、どうしてしまったの!?
わたしをどうしたいの!?」
「婚姻の契りを王国内外に知らしめ、姫を妻とし、私は王として君臨!
魔族の手をとって争いを巻き起こし、この世界を混乱と恐怖で支配するのだ!」
「そんな恐ろしいことを!?
絶対、そんなことにはならないわ!
ユウが迎えに来てくれるもの!」
「ふはは! 淡い希望など!
そら、姫の頬に、姫の唇に触れるも、わたしの自由。
この世界の王となる私にかしずくといい!」
「ユウ! お願い……
わたしを助けて〜〜〜!」
ガッシャ〜〜〜ン!
「やってきました!
いきなり王城!
リュリュエル一行、大登場!!!」
「なんだと!?」
「玉座の間!?
天窓を突き破るって、いくらなんでもおかしいですわよ!?」
「そんなことないですよ、クノ様?
いきなりエンジェリックア〜〜〜イ!
このお部屋、どんよりどよどよ、なんだか闇の力がいっぱいです!」
「ラナ!?」
「ユウ! クノ! 助けに来てくれたのね!」
「でたらめ天使!? なぜここに!?
いや! よくぞ現れたリュリュエル!
俺がライバルと認めた……男? 女?」
「ボクは両性具有で〜す!
どちら様でどこから現れたんですか?」
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