リュリュエル ☆ 爆誕の八

五十五羽 ☆ リュリュエル、拉致!

「ユウーーー!!!」


「ラナ! ラナを離せ!

でやああああああああ!」


「ユウ! 危ない!

ぐあああああああ!」


「親父!? 親父!!!

ちくしょう!!!!

ラナーーー!!!!」







「親父、親父!」

「ユウ……。ラナ……ラナは?」

「ごめん。あの兵隊たちに連れ去られちゃった……」

「そうか………………ユウ、近衛騎士団長として頼みたい。

……ラナを救ってくれ……ごふっ!」


「親父! 死んじゃだめだ!」

「ユウ、お前は……無事か?」

「腹を貫かれて気絶していたけど、なんとか生きてたよ」


「そうか……お前には父親らしいことをなにもしてやれなかったな……すまない。

あとは頼む。ガクッ!」


「親父ーーーーー!!!」

「お父上様〜〜〜!!!」


「リュ……リュリュエルゥ!?」

「お久しぶりです、ユウ様!」


「親父が…… 親父が死んじゃったんだ!」

「騎士崩れの鍛治士のお父上様ですよね?」


「親父は……鍛治士なんかじゃなかったんだ!

ラナを守る騎士だったんだ!

俺に心配させないようにって、嘘までついて!

でも死んじゃったら!」


「……悲しいことが起きてしまったんですね」


「う、うう……ラナ様は!?」

「クノ! ……ラナは連れていかれちゃったんだ!」

「そんな!? ……申し訳ありません。

わたしがついていながら、力及ばず……姫が!

コ〜〜〜ン!」


「悔しさがあふれる遠吠えですね。さすが狐の獣人!」


「悔しいのは俺もおんなじだよ。

侍女のクノだけでも生きててくれて良かった。

ラナをすぐにでも追いかけたいけど……親父をこのままにしてはおけない。

埋めてやらないと……」


「ユウ様! ご葬儀は後でしっかりとやりましょう!

お父上はボクにあずからせてください!」


「え? あ、ああ?」

「エンジェ〜〜〜ルバッグ!

はい! お父上はバッグの中ですやすやと安らかです。

これで腐りません! ゾンビやスケルトンになったりしないから安心ですよ!」


「腐るとか、ゾンビって、おい!

ははは! ……リュリュエルらしい。

悲しんでるひまもないな。

……よし! ラナを追いかけよう!

絶対に助ける!」

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