五十羽 ☆ リュリュエル、強敵!

「ナユ様も街中の皆さんもほぼ裸体! 大事なところだけ、かろうじて服が残ってます!

武器屋も鍛冶屋も道具屋も民家も、その他もろもろぜ〜んぶ、土台や柱を残して、ほとんどなくなっちゃってますね!

皆さん、ご自身の命があったことに大喜びしてます!」


「大喜びっていうより阿鼻叫喚あびきょうかんじゃないかな!?」


ほぼ裸体の自警団「モンスターだ! でかいモンスターがまたくるぞ!」


「あれは……巨大な斧を持った巨大なボアファングジョーミノタウロス!

猪の特徴と牙とでかいアゴを持った牛!」


「猪なの!? 牛なの!? どっちなの!?」


「もうどっちがメインかわかりません!

略してジョーミノにエンジェリックア〜〜〜イ!

称号<ダンジョン開発育成担当 魔王の尖兵としてまめに働く猪牛鬼>。

魔王の配下です!」


「こんな状況で、あんな強敵どうするの!?」


「しょぼいダンジョンを開発しようと、街をぶっ壊しにきたら、もうぶっ壊れてやがる!

手下どもはどこに行った!?

まあいい! 裸同然の人間どもなんぞ、ごみクズ以下!

俺様がみな殺しにしてやる!」


ほぼ裸体の自警団「ナユちゃん! みんな! 逃げろ!」


「武器もないし、これじゃ戦えないよ!

でも、あきらめちゃダメ! きっとなんとかできるはず!

今度こそ街のみんなを守りたい!!!」


屋台店主・住民たち「ナユちゃん!?」


「ナユ様! 恥ずかしい気持ちを押し殺して堂々と! その心意気がすばらしい!

大事なところは柱やがれきで都合よく見えません!

とはいえ、いくらボクでも、恥ずかしい状況のナユ様を戦わせるわけにはいきません!

ボクだって恥ずかしいのは、恥ずかしいですからね!

ここはもう一度、勇者スライムくんに活躍していただきましょう!

スライムくん、お願いします!」


「プルプルプルプル!」


「スライムくんが、ジョーミノに!

あれれ? ナユ様に飛びかかってます!」

「きゃあ!? スライムちゃん!?」


「スライムくんがナユ様を食べちゃいました!」

「何これ!? スライムちゃんが!?」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る