五十一羽 ☆ リュリュエル、立派!

「ナユ様……………!

真紅に輝くスライムアーマーにその身を包み、煌めくスライムソードを手にしています!

武器屋、防具屋、鍛冶屋、呪具屋、宝飾店などなどで、レア物をぜ〜んぶ合体したようでいて、シンプルないでたち!

ぬるぬるぬるっと、かわかっこいい!」


「あの……これ、ちょっと恥ずかしい!」


「このお姿はまさしく!

ドジっ娘スライムナイト女勇者様、ここに爆誕!

これまでの勇者様にくらべると、間違いなく一番のポンコツ!!!

何はともあれ、街一番の人気者!」

「あたし、ポンコツなの!?」


「ナユ様! ジョーミノを倒しちゃってください!」


「うん! スライムちゃん、いくよ!

はぷへっ!?」


「ボス戦でも派手派手なアクロバットでコケるドジっぷり!

ここまでくると、芸人も真っ青な芸術品!」


「こんなことで負けるもんか! 街のみんなを守るんだ!」

「立ち上がって剣を構えてます! ドジっ娘でも心意気が見事!」


「はうん!?」

「こりずにすっ転んでます! もうどうにも止まりません!

スライムくんを真っ二つにしたのは、ほんとのほんとに、まぎれもない奇跡でした!」

「あたしってそこまで!?」


「おい……なに一人で遊んでるんだ? この俺様と戦うんじゃないのか?

ずいぶん立派な装備のくせに、まるで弱い!」

「知ってる! あたしは弱い!

それでも………あたしは負けない!!!」


「ナユ様、剣を構える立ち姿がかっこいい! でも実は、転んでるだけ! 戦ってすらいません!」


「わ〜っはっはっは! 小うるさい、死ね!」

「ジョーミノの斧がナユ様の頭めがけて振り下ろされます!?」

「負けない! 負けるもんか!

きゃう!? 体が勝手に動く!?」


「ナユ様! 目にも止まらぬクワッドアクセル! 見事な剣閃で斧を弾き飛ばしました!

とんでもなく美しい剣技でジョーミノの四肢と頭を切断!

かっこいい!」

「うそ……ほんとにあたしがやったの!?

なんで!?」

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