四十四羽 ☆ リュリュエル、面倒!

「我らが父よ!

<まあいっかサーカス団>にそれっぽい衣を与えたまえ!」


四人組「うわ!」


「騎士くんがサーカス団の団長。

魔法使いくんが奇術師。

武闘家ちゃんが軽業師。

僧侶ちゃんが道化師。

元の印象も活かしたそれっぽい衣裳じゃない!」


「皆さん、かっこいい! よくお似合いですよ!」


僧侶「素敵です!」

魔法使い「お前は露出度高めのピエロじゃねぇか。聖職者としてそれでいいのかよ?」


武闘家「あんたこそ、シルクハットやら、いかにもショーでもやりそうな格好じゃない。笑える!

わたしは上着の下の露出度は変わってない。

じゃないと、いっつもビリビリになっちゃうからな〜」


騎士「俺は騎士……騎士なんだ!」




「ちゃんとテントに入ったわよ。

魔物たちのお世話、やっと終わったわね。疲れたわ〜。

あんたたち、これから覚悟しなさい?」


騎士「そうだ! フィスエル! 逃げ場とかなんとかってなんだ!?」


「はちゃめちゃだったけど、これだけの武勇をあげたのよ?

間違いなく王族や貴族たち、大商人たちの権力争いに巻き込まれるわよ。

下手すると暗殺とか?」


騎士「暗殺!?」


「今まで雇われでやってきた冒険者が、王国内外の駆け引きや謀略なんてわかる?」


四人組が首をふるふると振ってます。


「リュリュエルは……わかるわけないわよね」

「は〜い! わっかりませ〜ん!

フィスエルは詳しそうですね?」


「まあ……ね。

あんたが大々的に神託みたいなこと言わなきゃ、そんな心配しなくてもよかったのよ!

この能天気!!!

ほら、さっそく偉そうなのがいっぱい。

馬に乗ってやってきたわよ」


騎士「み、みんな、どうする!?」


「はあ〜、しょうがないわね。

拳の天使フィスエルが、問題なくやっていけるくらいまで面倒みてあげるわ」


騎士「本当か!」


「じゃあ、わたしは、まあいっかな四人のサポートするけど……。

どうせ、あんたは面倒見ないんでしょ、リュリュエル?」


「どうしてわかったんです?」

「わかるわ!」


「それじゃあ、ボクは次なる勇者様を探しにいきます!

フィスエル、よろしくお願いしますね!

皆さん、バイバイです!」


「はあっ!? さっさと行く気!?

ほんとはあんたの仕事でしょ!?

ちょっとは悩みなさいよ!」


「悩むの、めんどくさいで〜す!

では!」


「また消えた!?

もう! もうちょっと一緒にいても……いいんだからね〜〜〜! ふん!」



☆次回新章!☆

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