二十七羽 ☆ リュリュエル、秘密!
「ところで騎士様、あのドラゴンはどうしたんですか?」
騎士「巣に帰ってもらった!
いつも甘やかさないとギャン泣きするんだよ!
説得するのが大変だった! くぅ!」
「あら、竜言語なんて話せるの?」
騎士「いや、テイムした魔物となら心の中でやりとりできるみたいでな」
「うっはあ〜! 愛の力ですね!」
武闘家「愛なんてやめて!
大量の魔物を引き連れて冒険者稼業なんてできないわ!
街にも入れないのよ!」
騎士「戦うたびに魔物をテイムしてしまうからな。
どの魔物もついてこないように説得するのが大変だった! シクシク」
僧侶「ですが、街の門番とか荷運びとか、働いてくれて収入にもなってるじゃないですか。
神の奇跡です!」
魔法使い「いくら収入があるからって、俺たちは冒険者として生きていくって決めたろ。
それなのに、ろくに戦えねぇ騎士なんてどうなんだよ」
「なるほど……それでは皆さんにチームとしての称号を授けます!
エンジェ〜〜〜ルギフト!」
四人に降り注ぐ光のシャワー。
僧侶「称号をいただけるなんて!」
武闘家「はあ!?」
騎士「今度はなんだ!?」
「ボクがハックした四人のスキルを組み合わせれば絶対うまくいきます!」
「この二人もスキル変わってるの!?
魔法使いくんと僧侶ちゃんのスキルってなんなのよ!?」
「秘密で〜す!」
魔法使い「うまくいく気なんて全然しねぇ」
「魔法使い様の腕の見せどころですね!」
魔法使い「どういう意味だ?」
「あ、お迎えが来ましたよ」
「ガルガルガルゥ♡」
騎士「ドラゴン!? なんで!?」
「難破した騎士様のピンチに駆けつけてくれたんですね!
さすが、愛の心は偉大です!」
四人組「ぎゃあああああ!」
「四人ともわしづかみにされて、いっちゃったわよ……。
ちょっと! どうするのよ!?
せめて称号の説明くらいしてあげなさいよ!」
「称号も秘密で〜す!
かわいい子には旅をさせろっていうじゃないですか?」
「旅の難易度が高すぎるわ!」
「じゃあボクはもういきますね!」
「待てこら!」
「あ、あの〜、天使様、助けてください?」
「海の中から唐突な疑問形!
そのお姿は……」
「マーメイド!?」
☆次回新章!☆
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