第10話 反乱の風

岬「今日もいい天気だね〜五十六」


五十六「ム…」


岬「やっぱり海っていいね〜」


西崎「艦長!副長がまた呼んでるよー」


岬「あっめいちゃん」


西崎「ここままだと集合時間に間に合わないって」


岬「さるしまには、つぐちゃんに遅刻の連絡をしてもらったよ」


西崎「でも、呼んでこいってさ」


岬「ホゥ…うん」



ー晴風艦橋ー


岬「どうしたの?」


ましろ「どこに行ったんですか?」


岬「ちょっと甲板に…」


ましろ「遅刻しそうなのに何を!」


岬「遅れるって連絡はもうつぐちゃんに送ってもらったから…」

 





≪≪ドカン≫≫







全員「うわー!」


ましろ「なんだ?!」


野間「着弾!右30度3000」


岬「えっ?着弾?」





ヒューーー




ダンッ!!!




「どうしたのー!?」


「120パーセントわからない!」


野田「また着弾?」


「至近弾後部甲板に浸水」


岬「シロちゃん!!」


ましろ「だから、艦長。副長又は宗谷さんと呼んでください」


岬「えー他人みたいだよ〜」


ましろ「他人でしょ!」


岬「海の上のみんなはみんな家族でしょ」


ましろ「家族なんかじゃ、」


岬「それよりも、シロちゃん。肩車してもらって良い?」


ましろ「うぐ…人の話ちゃんと聞いてますか」


岬「ありがとう。私だけじゃ届かないから」


野田「艦長。猿島からの砲撃です!」


岬「えっ、古庄教官…どうして…」


ましろ「また遅刻したからだ!怒られて当然だ」


岬「そんな…それで砲撃なんて」



ヒューーーーーーー





≪ダンッ≫!!!



野田「前方に着弾!」


岬「爆発した?これ…実弾?!」


ましろ「このままだとけが人が出るぞ」


岬「りんちゃん回避運動を」


知床「り、了解!」


岬「そうだ!シロちゃん降ろしてもらえるかな?」


岬「ここちゃん遅刻に関しての謝罪を打電で」


幸子「了解です」


岬≪あ、あー遅刻してすみませーん≫


知床「まだ撃ってくるよ…」


西崎「ただの脅しでしょ、決めるだったらとっくに決めてるわよ。猿島なら」


幸子「艦長。打電返答なしだそうです」


岬「そんなに怒ってる」


ましろ「替われ。私が遅刻した理由を説明をする」


ましろ「航洋艦晴風、集合時間に1時間と6分遅れまして誠に申し訳ありません。しかしながら機関にトラブルが生じたため、致し方なかったのであります…」


野田「右舷に着弾!」


≪バガンッ≫


西崎「さっきよりも狙いが正確になっている…もうこうなったら反撃しようよ」


岬「のまさん手旗信号を」


野田「了解。ス・ミ・マ・セ・ン…


≪ダンッ≫


着弾!!」


「機関室浸水でぃ」


「自発装填装置が壊れたよ」


「炊飯器が故障しちゃったよー」


岬「怪我人は?」


柳原「機関室、柳原麻侖他全員無事でぃ」


姫路「第二魚雷発射管、姫路大丈夫です」


伊良子「炊飯器以外は伊良子美甘ほか二名無事です」


野田「着弾!」


西崎「狙いが正確になってきているんだけど」


知床「方向転換してきても撃ってくるぅ…」


ましろ「本気で攻撃をしているのか、あの砲なら毎分22発撃てるし、レーダー標準にしても狙いが甘いし、砲の旋回速度も遅い」


野田「着弾!」


岬「…… 









魚雷を撃とう」









岡村「ふぅ、久しぶりの実弾訓練はやっぱり違いますね~副長」


北口「まぁな、実弾訓練はわざわざハワイに行かないといけないからな。今日のみんな特に気合が入ってたな」


岡村「そうですね、特にあいつは」


木原匠「?何か言いましたか砲術長」


岡村「いや、なんでもない」


木原匠「そうですか、では私は外の空気を吸っています」


北口「ああ、お疲れさん」




木原匠「はぁ~やっぱり興奮するよね実弾は。正直に言うと初めて対艦ミサイルを撃ったな。あんな感じなんだな対艦ミサイルは…」





真霜「それってどういうこと!」




木原匠「?真霜さん?そういえばさっきからみくらの乗員がドタバタとしているな、何かあったんかな」







福内「宗谷さん声大きいですよ」


真霜「それよりも、その情報は本当なの?」


福内「はい、本部からの情報によると今日の午前1123にて、横須賀女子海洋学校所属の航洋艦晴風による魚雷攻撃により教員艦猿島は沈没、その後晴風は逃走、猿島乗員は全員無事だそうです」


真霜「学生が反乱を…本部の動きは?」


福内「現在、海上安全整備局は晴風乗組員をテロリストと認定し、捜索し最悪の場合は撃沈しても良いだそうです」


真霜「撃沈!本部は何を考えているの…急いで戻るわよ」


福内「はい。ですが海上自衛隊の皆さんはどうするのですか?」


真霜「とりあえず、横須賀まで戻ってもらいましょう」




野田マチコ

横須賀女子海洋学校

役職 航洋艦晴風 航海科見張員

主人公の岬明乃のクラスメートであり、あまり誰とも話さなくていいことから、陽炎型航洋直接教育艦「晴風」に、航海科所属の見張員として乗艦する。


姫路果代子

横須賀女子海洋学校

役職 航洋艦晴風 砲雷科 水雷員 2番魚雷発射管担当

二番魚雷発射管の旋回・発射等の操作を担当する。のんきな性格だが、プロボウラーの父親の影響でボウリングが好き。同じボウリング好きの理都子とはボウリング大会で対戦を経験している。


伊良子美甘

横須賀女子海洋学校

役職 航洋艦晴風 主計科給養員・砲水雷運用員/炊事委員

写真と料理、特に料理が好き。そんな彼女にとっては炊事委員の料理係はまさに天職。ただ、料理にこだわりを持つゆえに、時間をかけすぎて遅くなることもあるこだわりの料理人。



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