第2話 ワクチン
みんなが求めているのは、治療薬とワクチンだ。日本で治療薬として認可されているのは、レムデシビル(米ギリアド・サイエンシズ社)というエボラ出血熱の治療薬がある。しかし、レムデシビルは患者の入院日数を短くする効果があるが、死亡率の低下は確認されていないという。
国内2例目の治療薬は7月21日に、デキサメタゾン(主要な製造販売元 日医工、富士製薬工業)が承認された。デキサメタゾンはぜんそくや肺炎、関節リウマチなどで使用される抗炎症薬のステロイド薬で、中等症・重症患者に強く推奨されている。
アビガン(富士フイルム富山化学)は、臨床試験に取り組み新型コロナウイルス治療薬としての承認申請へ動いている。アビガンは、「新型又は再興型インフルエンザウイルス感染症(ただし、他の抗インフルエンザウイルス薬が無効又は効果不十分なものに限る)」という極めて特殊な条件で承認されていたものだった。そこには、副作用として催奇形性(胎児に奇形を及ぼす危険性)があるものだったからだ。新型コロナでアビガンは、感染初期の軽症段階での使用が想定されている。ほかにも、治療薬候補はあるが、まだ対処療法で使われているだけだ。
ワクチンは、研究着手から9年から17年「通常 研究着手 → 基礎研究 → 非臨床試験 → 臨床試験 第1相(20~80人)第2相(100~300人)第3相(1000~3000人)試験 → 審査・承認 → 実用化」と言われてきた。
抗体が数か月で減退する可能性の中、安全性をどこまで担保されるのか、倫健は心配だった。SARS(重症急性呼吸器症候群)やMARS(中東呼吸器症候群)のワクチンも出来ていないのに、ワクチン開発が、パンデミックでは安全性が無視されることがあっていいのかと、倫健は末恐ろしい思いだった。
ロシアでは、臨床試験の第3相試験でワクチンとして承認された。
日本も遅れまいと、ワクチンの契約に動いている。ワクチンの量産体制は、日本のバイオ系CMO(医薬品製造支援機関)やワクチンメーカーも生産に協力し、大量供給が可能になる見込みと言われている。
ワクチン供給契約には製品の副作用に対する法的責任を免除される条項が含まれているという。安全性を重視する日本は、誰に使おうとしているのか。ワクチン接種は、健康な人が安全性と有効性が担保されて使用するものなので、ワクチンがあるからオリパラ開催や経済を普通に動かすということができるのか。
しかし、今ではワクチンなしで簡素化してオリンピックを開催しようとしている。テニスの全米オープンや欧州サッカーが開催されているからだ。しかし、いずれも無観客か人数制限でおこなっているものだった。
中国では早くも、海外で働く自国民にワクチンを打ち、入国を迫っている。ロックダウン解除後、経済活動を活発かしている中国は、日本の尖閣諸島をも脅かしている。
無症状のまま退院しても、コロナの肺炎で死亡した人もいる中、未知のウイルスのワクチンを早急に使ってもいいのか。今のワクチンは、抗体が出来たというが、効果と安全性があるかは信じ難い。また、軽症ぐらいの副作用が出るという発表もあった。
コロナを2類にするとか、無症状者や軽症者を施設ならいいが、自宅療養とか言っている。日本では、3月14日から特措法が改正され、2年を超えない範囲で施行されている。これから先どうなるのか。国民以上の政治は求められないから、あきらめるしかないのか。でも、検察官の定年を延長する検察庁法改正案に対する抗議デモは、国民の底力を見せつけた。結局は、先の国会で廃案になった。しかし、またもきな臭い動きがみられる。
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