第20話 ルティア パート3
『亜人館』はその他の色店と同じように性行為を提供する店であるが他の店とは違う特色がある。それは人間ではなく亜人種との性行為である。それは言うまでもないと思われるが、亜人種ということで、人間のモラルが通用しないのである。他の店は18歳以上の女性しか働いていないが、『亜人館』ではコブリンがボブゴブリンに進化する12歳から働くことになる。支配の首輪をつけられたコブリンはホブゴブリンに進化する事はできないので、支配からの対象外になることはない。しかし、肉体は急激に成長して、ホブゴブリンナイトのような筋肉質でもなく、ホブゴブリンウィザードのような細身の引き締まった体でもない。進化しなかったコブリンは柔らかなマシュマロのような弾力のある心地良い体つきになる。
どの形態のゴブリンも人間よりも魅力的な体をしているが、進化しなかったコブリンは最上級の品だとウワサが絶たない。なので、男なら一度は進化しなかったコブリンを抱いてみたいと思うのだが、亜人種という差別の対象であるコブリンと性行為をすることは世間体的に印象が悪い。『亜人館』に来る者は顔を隠し素性がわからないように来店する。
今回モナークが所望したのは通常メニューではなく裏メニューである。
コブリンに支配の首輪を付けるために、千差万別の拷問を施し精神を崩壊させて屈服させる必要がある。コブリンの時は知能が低くて判断力に欠けるが、人間に屈服することを本能的に拒む。人間に屈服するくらいなら激しい拷問を受ける方を選ぶのであった。
そんな誇り高きコブリンを肉体的には殺さずに精神的に殺すのが裏メニューである。コブリンを数年かけて拷問し肉体を殺さず精神だけ殺し、肉奴隷となったコブリンだけが『亜人館』で働いている。
コブリン狩りが中止された現在は裏メニューは存在しない。しかし、裏メニューを知っていたモナークは、王子という権力と財力を行使して肉奴隷とかしたコブリンを、再び拷問の舞台に引きずりあげていたのであった。
地下部屋は四方を鉄の分厚い壁で覆われた何もない10畳くらいの部屋である。扉も二重になっていて外部に全く音が漏れ出ることがない仕組みになっている。唯一天井に空気孔が存在しているだけで床も冷たいコンクリートで覆われていた。
『亜人館』から聞こえてくる悲鳴や奇声は地下部屋から漏れ出た声ではない。あの悲鳴や奇声は精神が壊れたコブリン達の絶歌であった。
モナークが奈落の間に入ると黒のタキシードを着た身なりの良い20代の男性が入ってきた。
「モナーク殿下、この度は『亜人館』をご利用いただき誠にありがとうございました。店主から最高級のコブリンを用意するようにと指示がありましたので、当店で1番人気のコブリンを連れてきました。コイツは8年間も拷問に耐え抜き、精神も肉体も極限まで壊したのですが、それでも精神も肉体も死ぬことなく抗い続けました。最後はロード国王陛下と聖女様の力を借りて、生と死の間を繰り返す無限地獄の拷問に処した結果、肉奴隷として完成することができました。年齢も14才になりましたので1番肉付きもよく最高級の肉に仕上がってます。コイツと性行為をした者は2度と人間との性行為が出来なくなるほど絶頂を得ることができるでしょう」
男は饒舌に説明するがモナークは退屈そうに聞いていた。
「くだらない説明などどうでも良い。早く連れてこい」
モナークが一番に望んでいるのはコブリンの肉体ではない。自分の怒り、憎しみ、嫉妬、苛立ちをぶつけるサンドバッグが欲しいのである。他の店では出来ない残酷非道な行為をしたいだけであった。
「わかりました。コブリンは部屋の外に待機させていますので、すぐに中に入るように伝えてきます」
男性が部屋から出るとエメラルドグリーンの美しい肌の小柄なコブリンの女の子が入ってきた。
コブリンは衣服を着ることを許されず、一糸纏わぬ生まれたままの姿であった。
「美しい・・・」
モナークにとってコブリンは性行為の対象ではなかった。しかし、今まで見たコブリンとは違い、そのコブリンには一際輝く美しさを感じた。それはこのコブリンが他のコブリンよりも美しい容姿以外にも理由があった。このコブリンは顔をピンク色に染めながら、恥ずかしそうに右手で小ぶりな胸を隠し、左手でデリケートゾーンを隠していたからである。
本来精神を壊されたコブリンは人形のように恥ずかしそうなそぶりを見せることなく呆然と立ち尽くしているだけである。
しかしこのコブリンは生娘のような恥じらいを見せている。それが美しい容姿と相まって一層美に磨きがかかっていたのである。
「お前の名前は?」
モナークは思わず名前を聞いてしまった。精神を壊されたコブリンが自分の名前など覚えているはずなどないのに。
「わ・・たしは・・ルティアです」
ルティアは体を小刻みに震わせながらか細い声で答える。聖女の力を借りた特別な拷問を受けた結果、ルティアには僅かな自尊心が残っていたのである。だから生娘のような恥じらいも感じていたのである。
「綺麗な名前だな・・・」
モナークの顔は少し赤くなっていた。
「ありがとうございます」
ルティアは深々と頭を下げる。
「ち・・・がう。俺は・・・コブリンなどに・・・」
モナークは拳を握りしめて、全身を震わせながら込み上げる感情を抑えているかのように見えた。
「あぁぁ〜〜〜」
モナークは突然雄叫びを上げルティアの顔面を殴りつける。モナークに殴られたルティアは1mほど吹き飛んだ。
「これだ。この感触が気持ち良いのだ」
モナークは煌煌の笑みを浮かべ、倒れ込んだルティアに馬乗りになり、何度も何度も殴りつける。モナークに殴られたルティアの頬は大きく腫れ上がり、鼻はくの字に折れ曲がり多量の血がドボドボと流れ落ちてきた。
「お母さん、お母さん、助けてぇ〜」
ルティアは涙を流しながら大声で叫ぶ。
「ギャハハハハハ」
モナークは泣き叫ぶルティアを見て高笑いをする。そして、再びルティアの顔面を殴りつける。
「もっともっと泣き叫べ、そして、俺に芸術的な奇怪な顔を俺に見せてくれ」
モナークの顔は狂気に満ちていた。それはまるで鬼神のような形相であった。モナークはひたすら殴り続ける。ルティアの顔はみるみる大きく腫れ上がり、眼球は飛び出し鼻は原形をなくし潰れてしまった。
「さっきまでの美しい顔も魅力的だったが、風船のように膨らんだ真っ赤な奇形の顔も素敵だぜ。ギャハハハハ」
ルティアは意識を失い死んだように静かになるが、地面に打ち上げられた魚の様に体をカクカクと痙攣させていた。
「まだ死んではいないようだな。お楽しみはこれからだぜ」
顔は肉団子のようになり、目、鼻、口は全て潰されて顔の原形はとどめていない。しかし、顔以外は細身の弾力のある美しい体をしている。少し小ぶりであるが綺麗な胸、そして淡いピンク色の乳首は吸い付きたくなるほどに魅力的である。モナークは口から涎を垂らしながら右の乳首を舐め回しながら、左の胸を荒々しく揉みまわす。
「はぁーー、はぁーー」
モナークの激しい呼吸と下品な喘ぎ声が部屋の中にこだましていた。
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