第二話 昔話




落ち込み頭を下に向けている白狐を見ると、雌狐は、優しく微笑み、白狐の側に近付いた。


「みんなの気持ちが分かった?」


白狐は、顔を上げ、雌狐を見た。


「みんなだって、同じ気持ちだったはずよ。例え、興味が無くても、あなたの為に贈り物を持ってきているのだから、『ありがとう』の一言でも掛けてあげてもいいのではなくて?感謝の気持ちを忘れてはダメ。本当の美しさは見た目ではなくて、そういう心ではないの?」


優しい口調で言う雌狐を白狐は、不思議な気持ちで見つめていた。


自分の実の親でさえ、わがままな白狐を叱ってはくれなかった。


美しいから、自分は何でも許される。




ーそう、勘違いをしていた。

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