第二話 昔話




雌狐に、そう言われ、白狐は、しばらく考えていたが小さく応えた。


「……お前が好きだからだ。」


それを聞き、雌狐は、少し驚いた顔をしたが、すぐに、あっははと高笑いした。


「へぇー。みんなに美しい美しいと褒められ、毎日、贈り物を貰っている、お前が、この私を好きだって?」


バカにしたような雌狐の言葉に、白狐は、怒鳴る。


「好きになって悪いか!」


雌狐は、クルリと白狐に背を向け、静かに言った。


「私は、お前になど、興味が無い。」


雌狐の言葉は、白狐の胸の奥深く突き刺さった。


心がとても痛かった。






痛くて……痛くて…………泣きたかった。

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