第二話 昔話




白狐は、次第に腹が立ち、雌狐に、こう言った。


「これほどまでに贈り物をしているというのに、お前は、嬉しくないのか?!」


すると、雌狐は、白狐を冷たく見つめ言う。


「お前は、どうだった?」


「えっ……?」


意味が分からず、白狐は、雌狐をじっと見つめた。


「お前は、どうだったのだ?沢山の雌狐に贈り物を貰って、嬉しくなかったのか?」


じっと見つめ返す雌狐から目を逸らし、白狐は、応えた。


「だって……俺は、美しいのだもの。その美しい俺に贈り物を送るのは、当然ではないか。」


白狐の言葉に、雌狐は、クスクスと笑う。


「私は、お前のように美しくはない。普通の雌狐。なのに、何故、お前は、贈り物を送る?」

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