第二話 昔話
むかーし、昔、とある山奥に一匹の狐が住んでおった。
その狐は、全身、真っ白な柔らかい毛に包まれて、それはそれは、美しかった。
やがて、狐は成長し、増々、美しくなっていた。
周りにいた雌の狐達は、みな白い狐の虜になった。
毎日、花や山で実った果実などを持って、白狐(しろぎつね)の元へ訪れた。
しかし、そんな雌狐達など、白狐は気にも止めず、みんなの好意が当たり前のように感じていた。
自惚れというやつじゃな。
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