第25話  愛良に相談

 演劇部で変な賭けをさせられて、同じクラスの司馬莉人しばりひとに中間テストで勝てなければ、即、演劇部に入部なんて!!

 僕が力を向けば良いだけじゃないか……。


 ……そうもいかないのか。ここでの成績は、親父の目にも入るんだ。


(くそ~~!!何か対策はないのかなぁ~?)


 僕は、自分の部屋で参考書を広げて、自問していた。

 今のままでは、コッソリ小説も書けないぞ……。何故か二ノ宮は僕の文章が気に入ってるみたいだけど。今回書いたのは、ひどくけなしてくれたし。


 あっちは、部で対抗して来るし……僕には友人さえいない……。

 いた!! 愛良だ!! 愛良に僕の味方になってもらえば良いんだ。


 隣の組に入るせいか、二ノ宮が取り巻きに囲まれてるせいか、双子なのに二人の学校での接点は、あまり見かけない。


 翌日、僕は三時限目の休憩に隣のクラスの愛良のもとへ行った。

 そして驚いた。

 愛良の奴、男子を五~六人侍らせている。

 女子が数名やっかみの目を向けていたのが分かった。

 これで僕が、「愛良~」なんて呼んだら、愛良の居場所はなくなりそうだな。


 それで僕は、一番手前にいた女子に丁寧に「二ノ宮愛良さんに用があります。呼んでください」と言った。


 その女子は大層驚いていたけど、僕の知る所ではない。


「真生じゃない。さん付けで呼び出すなんて、どうしたの?」


「実は、話を聞いて欲しくて……」


「賭けの事?」


 やっぱり、愛良のところにも話は回るか……。

 僕は二人、廊下の端に移動した。

 僕がばつが悪そうに、頭を掻くと愛良がクスクス笑って言った。


「あなたは、愛里にロックオンされたわ」


「おい!! そんな言い方!! 妹だろ?」


「そうよ。だから一番わかってるのよ。あの子は手強いわよ」


 愛良は教室に戻って行った。

 実の姉に手強いと言わせるのか??

 二ノ宮!!



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