第32話 飯テロとの戦い
腸を休ませるとは聞いたが、5日も食べられないとは思わなかったそうだ。飲み物さえ飲めない。2日目からカレーが食べたくなったくらいなのに、それから何日も飲まず食わず。そんな状態では、勉強など全然できなかったそうだ。
やっと食事を食べさせてもらえたら、翌日には退院になったわけだが、それは次男にとっても意外なほど早かったそうで、
「出所だー!」
「娑婆の空気が吸える!」
と、テンションを上げて病院を出た。そして、車内でのあの、
「うどんが食べたい!」
発言。まずは丸亀製麺のうどんが食べたいと思っていたそうだ。だが、前述のごとく連れて行ってもらえなかった。最初にパスタを食べる事になったわけだが、その時、夕飯にはうどんをウーバーで頼んであげるという話になっていた。
しかし……パスタは油がきつかった。量も食べてしまったし、だんだんお腹が痛くなってきた。せっかく夕飯にはうどんを食べようと思っていたのに、気分は最悪。夕飯時になって、うどんを食べようかと思いつつ、まだお腹は痛いし、けれどもお腹は空いているような気もするしで、ツナ缶を食べたのだった。
(やっぱりホットケーキが食べたいような。作ろうか、いや、うどんか。)
(やばい、瞬きをする度に食べたい物が変わる!)
散々あれも食べたい、これも食べたいと、画像を目にする度に思ってきた次男。その思いが爆発しすぎておかしくなった。
(うーん、なんか、俺はやっぱり甘い物が食べたい気がする。コンビニスイーツのような。)
それで、次男は1人でコンビニへ行き、スイーツを2つ買ってきた。ツナ缶の後、そのスイーツを食べた次男。食べるとお腹が痛いのは治って来たそうなのだが、食べ終わった後、ぎゅるぎゅるぎゅるっと音が鳴った。普通の人のお腹の音ではない。すごく大きな音が鳴る。
退院したら、何でも食べたい物が食べられると思っていたのに、まだまだ食べ物には制限が大有りで、ちょっと間違えばすぐお腹が痛くなる。当然憂鬱になる次男。時はゴールデンウイーク。退院の翌日には親戚が集まってバーベキューが行われた。肉はあまり食べられない次男。可哀そうだった。
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