第21話 検査結果

 2往復して帰って来たのが午後3時くらいだった。それからパソコン作業をしていると、4時過ぎに病院から電話がかかってきた。

「遅くなってすみません。検査の結果をお知らせします。」

ちっとも遅くないのだが、もし病院内でずっと待っていたら遅いと思うかもしれない。2時間以上経っているから。

 造影剤を全身の血管に入れ、CT画像を撮って腸の様子を詳しく診てくれた。その結果、閉塞は取れていて、もう鼻からチューブを入れなくていいそうだ。あれは辛いようだったから、良かった。

 腸に炎症が起きているので、点滴と抗生物質で様子を見るという事だった。また、虫垂にも炎症の跡がみられたので、外科の先生とも相談したが、現在痛みがないので、今のところ手術の必要はないという事。もし今後痛みが出るようならば、盲腸の手術になるかもしれないと。

 盲腸(虫垂)は必要ないもので、私が昔聞いた話によると、炎症を起こして痛みを起こすかもしれないから、アメリカでは赤ちゃんのうちに取ってしまうとか。だから、もし怪しいんだったら検査したついでに取ってもらえばいいのかと思っていたのだが、今回ある事を聞いてその考えが変わった。

 今回の原因ではないが、腸閉塞を起こす原因の1つに、手術をした後の癒着があるらしい。つまり、今回盲腸を切る手術をしたならば、そのせいで今後、また腸閉塞を起こす確率が上がるのだ。そう考えると、不必要な手術はしないに限ると思った。

 それにしても、抗生物質を投与するという事は、つまり炎症は細菌によるものという事ではないか。だとすると、ちょうど1年前に患った細菌性胃腸炎と関係があるのではないか。

 前にもざっと説明したが、1年前、突然嘔吐下痢に苦しんだ次男は、最初に熱が出なかったものだから、ウイルス性だと思われて抗生物質を処方されなかった。ゴールデンウイークという事もあって、また、コロナ禍でもあり、なかなか診察してもらえず。ああ、あの時電話をした大学病院には、自分でトイレに行けるようなら緊急性はないと言われ、かかりつけ医には熱がある患者は受け入れないと言われ……だから診てくれた内科の先生には感謝しているのだが、その後高熱が出て、血液検査もして、細菌性胃腸炎と分かって抗生物質を出されたものの、5日分飲んでも治らず、また2日分追加で出されたけれども治らず……何とか10日くらい寝込んで復活したものの、度々腹痛に悩まされていたのだ。

 また、すごく痛い時にはなかなか病院には行かれないもので、痛みが治まっている時に検査をしても何でもないと言われた。今回、本人は相当辛かっただろうが、その、すごく辛い時に検査をしてもらえたのは良かったのだと思う。それで、抗生剤を何日も投与してもらい、食事を摂らずに胃腸を休ませ、これですっかり治してしまえば、今までのように時々痛くなる事もなくなるのではないか。

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