第18話 リベンジ
12時に帰ってきて、即お昼を食べた。その時、左側にいる長男に話しかけようとして、初めて気が付いた。あの、4/28検温済と書いてあるシール!未だに腕に貼ったままだったのだ!恥ずかしい!自分も気づかなかったが、ママ友も気づけば教えてくれるだろうに、何も言わなかったという事は、けっこう気づかれないものか?いやー、前から見て気づかないとしても、横から見たら気づかれるだろう。電車や駅で笑われていたに違いない。心の中で。
そうだ、次男の高校の最寄り駅に行くのだから、定期券を使えばいいじゃないか!と気づいた私。電車賃損したーというのだけは解消すると思った。次男が退院する時の為に持たせようと思ってリュックにしまったと思い、探した。だが、なかった。そうだ、財布と一緒に病院に置いてきたのだった。あー、バカだ。これもバカだ。最初から、私が昨日病院から帰る時にも使えば良かったのに。学生割引の定期だから、本当は別の人が使ったらいけないのだが、この場合は良くないか?いいよね?ま、とにかく定期券は無かった。残念。
12時半過ぎに家を出た。今度はちゃんと黒いリュックを背負って。これでまた忘れたら、私がお医者様に診てもらった方がいい。それにしても、同じ服装でもリュック1つで急にスポーティーな格好に見えるから不思議だ。さあ、これで1時半頃に病院に着けるはず。
だが……元々痛い膝に加え、右足の付け根もだいぶ痛い。左は平気なのに。膝を知らず知らずのうちにかばって歩いているのだろうか。けれど、ボランティアシューズ(とても歩きやすい、疲れないスニーカー)で出かけたので、足はだいぶ楽だった。フットは全然痛くない。坂もあるけれど、ああいうシューズで歩くとちっとも苦にならない。
再び電車に乗ると、次男からLINEが入った。電話番号を教えてくれと。検査の為の保護者の同意が必要だから、電話が行くよと。
ちょっと待て。電車の中では出られないし、そもそも後少しで病院に行くのだから、その時でいいではないか。次男には、私の到着予定時刻を伝えた。
ところが、車内で電話が掛かってきてしまった。一般電話からだ。おそらく病院だろう。出られずにいると留守電が入った。それを聞いてみると、お父様の方に掛けますと言っている。で、夫からLINEが。
「状況変化なし?」
ん?なんかよく分からん。病院から電話が来たかと尋ねると、
「出られなかった。掛け直したけど出ない」
と。そしたら、また私のスマホに一般電話からの着信がきた。ああ、あと1駅で着くのに。で、また留守電が。それを聞いてみると何も入っていなかった。
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