第4話 忙しいのと色々と

 何から話せばいいのやら。うちの次男のお腹の話。波乱が起きるのだが、それは追々書くとして、まずは2022年4月の話から。


 のんびり屋で、家でゆっくりするのが好きな次男。だが、筋肉と運動神経に自信のある次男は、出来れば運動部で活躍したい。ジレンマである。

 高校3年生になった次男は、バレー部のキャプテンであり、受験生でもある。4月から心機一転、という事なのか、それまでは起こしてもなかなか起きなかったのに、だいぶ独りで起きられるようになってきた。大人になってくればちゃんと起きられるようになるのかと、母としては喜んでいたのだが、ちょっと認識が違っていたようだ。彼が独りで起きられる時というのは、それだけ緊張している時だったのだ。つまり、後々また起こしても起きない子に戻るという事なのだが。

 部活の公式戦が4月24日にあった。日曜日である。その前の週の土日には練習試合などがあり、前日の23日は午前中が学校の授業で、午後は部活だった。バレー部は週3回しか練習がなくて緩い部活だから入部したのに、やはり試合の前などは土日両方出る時もある。運動部に入れば、仕方のない事なのだろう。

 24日の公式戦は朝早くからで、平日よりも早起きをしてよその高校へ出かけた。コロナのせいで観戦禁止なので、私は応援に行かれなかった。まさかの、3年生になってまでもコロナ禍とは。入学した頃には思ってもみなかった。私は公式戦の応援がしたかった。

 1回戦目に惜しくも敗れ、お昼過ぎに帰って来た次男。負けた事も悔しいだろうが、色々と不満があったようだ。審判(他校の顧問)のジャッジに不満で、次男にしては珍しく声を荒げて抗議したとか。また、2年生のレギュラー陣が不調で、サーブミスやスパイクミスを連発。うちのエース(一応、うちの次男)が前衛の時に、味方のサーブミスで何もせずにローテーションしてしまい、次男は圧倒的に前衛の時間が短かったという。

 いつもはそんな事ないのに、今日は珍しく不満タラタラだった。そして、やっぱりお腹が痛くなって横になっていた。前日にもお腹が痛いと言っていたのだが、試合中には調子が良かったそうだ。だからこそ、前で活躍したかったのに、出来なかったというわけだ。


 案の定、翌日の月曜日は朝から腹痛で、学校に行かれなかった。今まで飲んでいた痛み止めの薬が無くなってしまったので、近くのかかりつけ医に次男1人で行った。

 これまでの経緯をざっと説明しよう。次男は1年前の高2の春、細菌性の胃腸炎になった。日曜日だったため、近くのかかりつけ医がお休みで、少し離れた別の病院へ行った。最初に発熱しなかったためにウイルス性の胃腸炎だと思われ、抗生剤を出されなかったのだが、翌日に発熱。今度は月曜日だからかかりつけ医に電話をしたが、熱があると診てくれない。大学病院にも電話をしたが、重症ではないから診られないと言われ、また日曜日にかかった内科へ行き、抗生剤を出してもらうもなかなか症状が治まらず。とにかく発熱、吐き気、下痢が続き、何も食べられない状態が10日くらい続いたのだった。その後、治ったようでも時々腹痛を発症するようになってしまった。

 それまでは、疲れるとめまいがしたものだが、それが腹痛に代わっただけの事。めまいは原因を色々調べたが不明なままだった。これについてもざっと説明すると、中学のバレー部に入り、土日とも試合という日々が続いた後、定期テストの前日にも試合があった時に、発症したのだった。しばらく部活が出来ず、大学病院に行って色々な検査をしたが、起立性調節障害かもしれない、くらいの結果だった。そして、辛くてもなるべく動いた方がいいと言われ、徐々に普通の生活が送れるようになり、半年後くらいには部活にも復帰したのだった。

 私が推測するに、「忙しい」というストレスが原因だったと思われる。そのめまいが、今度は腹痛に代わっただけなのだ。

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