第2話 どうやら違う世界に来たらしい


「......?」

こんにちは佐藤遊太です。

変なおっさんと話して煽られた後、赤ちゃんになってました。


誰に言ってるのは自分でも分からないくらい混乱している。

変な白い部屋で煽られ、頭がぼーっとしてこの状況。

訳が分からなさ過ぎて泣きそう。


「あらユータ目が覚めたの?」

やや美人で茶髪のお姉さんが俺に声をかけてくる。

いきなり赤ちゃんが喋ったらキモイと思うけど、背に腹は代えられぬ。

すまないお姉さん。驚かせてすまない!


「あーあーう(ここはどこですか?)」

あっ、喋れねーわこれ。



精神が成人男性の俺には耐えがたいイベント、オムツ交換、授乳なども泣く泣く受け入れつつ1週間過ごした俺は現状を整理する。


・この身体は首がすわった位の赤ちゃん

・やや美人のお姉さんはどうやらお母さんらしい

・電気とか無くて、灯はろうそくとかランプの直火方式

・母の服装はアルプスっぽい感じ?

・父は無理をすればイケメンと呼べないことも無い


そう、何も分かっていないのだ。

状況から考えれば分かること以外何も分からない。

心の底から助けを求めたい。

誰か現状を教えて欲しい!



【おーい遊太くん聞こえるかい~?】

(頭に不快な声が聞こえる?!)

【不快は言い過ぎじゃない?!】


この声は自称神のおっさんだな。

(どういうことですか!なんで俺が赤ちゃんになってるんですか!)

【ええっ...説明したじゃないか...。君が信じなかっただけで...】

(説明を!再度説明を求めます!)

【今度はちゃんと聞いててよ?そこは私が管理する世界フロンティア。君たちの時代で言えば中世ヨーロッパくらいの文明レベルだね。】

(中世ヨーロッパとか分かりません。日本で例えて下さい。)

【室町時代くらいかな】

(なるほど、全然分かりません。)

冷静に考えれば江戸時代とかしかイメージ沸かないわ。



【君と話し合って決めたスキルはある程度訓練していれば芽吹く種みたいなものだ。いきなり何でも出来ると思わないようにね?】

(スキルとか選んだ記憶無いんですけど?)

【基本的には好きに生きてもらって大丈夫だけど、地域の発展が君の仕事だってことは忘れないで欲しいかな?】

(いや文字通り人生掛けた仕事になるとは聞いてないです)


【あと君が選んだスキルは魔法の才能(ランダム)だったね。得意や苦手属性については色々調べていくといいよ。】

(えっ!魔法使えるんですか?!)

【使えるよ~!君がどの属性が得意なのかは分からないけど、そこは楽しみにしてほしい】

(噂の剣と魔法の世界だったんですね!そうなら言ってくれれば良かったのに!)

【おっ!テンション上がってきた?もう大丈夫かな?じゃあ、新しい人生楽しんでね~!】

説明が圧倒的に足りてない。

そんな状況で自称神との通信が終わってしまった…。


どうやら俺は違う世界に来たらしい。






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