第4話 Money(That's What I Want)
喉も乾いたし、お腹も空いたし、寝泊りできる場所もほしい。
お金があればなぁ~
僕とユイとアクモン(ボンボール、リモシー)は街の公園らしき場所でお金を稼ぐための打合せをしていた。
すると、公園に大きなボンボールが集まってきている事に気づいた。
ボンボールの持ち主は、小学生くらいの子で怪しい大人と話をしている。
話が終わったタイミングで小学生くらいの子が公園のボンボール達をカードに戻して怪しい大人に渡した。
カードを受け取った怪しい大人は懐から札束を出し子どもに渡して去っていった。
僕は急いで、子どもに駆け寄ってどうやってお金を稼いだのか聞いた。
「簡単だよ。ボンボールを捕まえて育てて売るだけだよ」と子供は偉そうに言った。
「そうなんだ。お兄さんにボンボールの育て方を教えてくれないかなぁ」と尻上がりに聞いた。
「やだよ。タダで教えるわけないじゃん」「あっちいけ、おっさん」と子供は大きな声で言った。
ぐぬぬ。このクソガキめ。
僕はがっかりしながらみんなの元へ戻ったが、お金を稼ぐヒントを一つ得た。
「みんなよく聞いてくれ。ここではアクモンがお金になる」と僕は少しゲス顔で言った。
ユイはドン引きしていたが、リモシーがなぜか激しく頷いた。
一瞬で理解した。リモシーはすべてを知っている。
リモシーやボンボールの事を詳しく聞くため、「アクモン協会」へと戻る。
僕たちにはアクモン協会しかなかった。アクモン協会の受付のお姉さんがすべてなのだ。
お姉さんは以下の事を教えてくれた。
「ボンボール」
・転がれば転がるほど大きくなる
・大きくなることとある条件を達成すると進化する
・ボンボールの進化した姿がボンキャノン(大砲)でボンキャノンは戦争時(現在戦争中らしい)やパートナーに高く売れること
・ボンボールは2回進化することができる
「リモシー」
・回復呪文が使える
・病院で重宝されている
・現在、戦争中のためとても求人がたくさんある
上記の情報を得たことにより早速「アクモンワーク」なる場所に向かう。
「アクモンワーク」でユイと手分けして求人をタブレットのような端末でそれぞれ探している時に「リモシー求ム」という求人をたくさん見つけた。
「アクモンワーク」の受付ですんなり仕事を見つけることができた。
早速、今日から働けることになりリモシーをカードに戻して受付に渡そうとした。
「やめてーーー、リモちゃんを返してーーー」とユイが駄々をこねる。
おい!、っという気持ちに堪えてユイをなだめる。
・このままではみんなで餓死して死んでしまうこと。
・この世界ではお金がないと生きていけないこと。
・数時間後にリモシーに会えること。
を丁寧にやさしくゆっくりとよしよししながら言ったら、
「ちょっとだけだよ」と言って受付の方とリモシーのカードの方に手を振った。
僕はかわいいなと少し思ったが、かなりめんどくさい女だという気持ちの方が強かった。
しばらくの時間を公園でつぶしてから「アクモンワーク」に戻ってくるとリモシーと感動の再開を果たした。
ユイは涙と鼻水だらけになってリモシーと抱き会っている隣で僕は必死に受け取ったお金を数えた。
この世界にもファーストフードのハンバーガー屋さんがあって三つハンバーガーを単品で頼んだ。あと無料の水。
僕とユイとリモシーで食べた。
本当においしくてあっという間になくなった。
ちなみにボンボールは道で転がすだけでお腹いっぱいになるようだ。
我々にはリモシーが必要だ。僕やユイはこの世界では役立たずだ。
この残ったお金でアッカードを買って、リモシーをたくさん捕まえよう。
ゲス顔で僕は高笑いをした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます