弱点が発覚した
やあみんな、私は俺ちゃんからテンちゃんにレボリューションしたケモミミ美少女!
いま門番さんの前でおっぱい丸出し! さすがに恥ずかしいよ!
「獣人で
「さてどうなんですかね、実はそれも知らないんで」
本当は
話を聞く限り獣人は犬猫狸狐と種類は豊富みたいだけど、私は狸と狐の間みたいな種族で、ハーフということにして処理されることになった。
「出身も知らないんだろうが、どちらかの村出身なんだろう。思い出したらまた街の商会か交易所で身分証を作れ」
「あっはい」
いやに冷静なせいでどうにも言えない雰囲気が漂ってる。私が恥ずかしがってるのが馬鹿みたいに思えるじゃないか、そっちは仕事で見慣れてるかもしれないが私は初対面の人の前で丸出しなんだぞ。
「手を出せ」
「はーい」
最後に門番さんが持っていた謎の道具を私の手首に当てると、ピコッと音がして手首に赤色の模様が刻まれた。
「なんですかこれ?」
「一時的な通行許可証だ、三日で消えるが身分証の提示を求められたらこれを見せろ」
「わぁ便利」
「ただギルドや商会登録では使えない、街に入ったらちゃんとした身分証を作れ。細かいことはウタカゼさんが教えてくれる」
「その人ってどんな人なんですか?」
何度か名前が出てるウタカゼさんとやら、どうやら私の引取人らしいがなんでそんなことをしてるのか、そして信用に足る人物なのかは謎のままだ。
「歓楽街で店やってる人だ。基本的には善人だが、一部の賭博も仕切ってるから下手なことするなよ」
裏社会の元締め的な人じゃないですか、私今からそんな怖い人に連れてかれるのね。
コンコンとノックされて扉の先から声が聞こえる。
「ウタカゼさんをお連れしました」
「入ってくれ」
綺麗そうな名前からどんな強面が来るのかと思ったらあら不思議! 黒髪ロングのめっちゃ美人のお姉様が入ってくるじゃないですか、しかも花魁みたいな服で零れそうなバストが超セクシー、名前にとても似合ってる!
「野良の魔法使いってのはこの子かい?」
「はい。記憶がないらしく、名前しかわかりませんでした」
「そうかいそうかい、災難だねぇあんた……」
しゃなりしゃなりと近づいてきて、頭の後ろに手を回されたと思ったら耳の浅いところを指でいじられた。
やばい、超テクニシャン……!
「あふんっ……」
「可愛い子だけどまだ若い。店には出せないから他のことで使うよ、魔法使いだからいい働きをするはずだ」
「すいませんウタカゼさん、毎度頼ることになってしまって」
「いいんだよ、うちの子が安心して働けるのはあんたたちのおかげだから。また遊びに来なよ」
「お世話になります!」
おお、このお姉様すでに門番さん達を手玉に取っている。なんて魔性の女……耳にかかる吐息も甘くて、あっダメだ好きになっちゃう。
『……そこに愛はありますか?』
ある! あります!
だから許してください女神様、私はまず経験というものを積まなければなりません!
きっといつかおそらくメイビー女神様を満足させられる男に……いや美少女に育ちますから!
「とりあえず服を着な、男どもには目に毒だよ」
「ホントだ忘れてた!」
急いで服を着直して、門番さんにお礼をいい扉から出ると街の中は想像してたよりも人の往来が多く、止めてある馬車に乗るまでに結構な人数とすれ違った。
しかもその間にウタカゼさんへ挨拶に来た人はいっぱいいて、門番さんに聞いた通りの有名人だった。
内容が「自信がつきました!」とか「最高でした!」っていうのが多かったけど、この人結局何してる人なんだろう?
「商会で一旦止めな、まず身分証だ」
「姉御、そいつ記憶がないんですよね? 身分証作れるんですか?」
「ボケたのかい、作ってもらうんじゃなくて作らせてくださいと言わせるんだよ」
「すいません姉御、忘れてください」
そう言って馬車は走り出したのだが、やっぱりちょっと怖い人かもしれない。キセルをずっと指でくるくる回してるし……あれ? 見た感じ使い込まれてるのに吸わないのかな?
そうか、私の見た目が若いから気を使ってるんだ。めっちゃいい人じゃん!?
「ウタカゼさん、気にしないので吸っていいですよ?」
「おや、すまないねぇ。なにぶん夜の仕事だから昼間は吸ってないと頭が起きないんだ」
袖から出したケースに入っている葉っぱを丸めて先端に詰め、なにで火をつけるのかと思ったら指先から小さい火が出た。
この人も魔法使いだったのか。
「なんだい? もしかして魔法使いとでも思ってそうだねぇ」
「違うんですか?」
「この程度の生活用魔法なら誰でも使えるよ、魔法使いっていうのはもっと大規模な戦闘用とか捕縛用の魔法が使える奴を指すんだ」
そうだったのか、てっきり魔法が使える人が魔法使いなんだと思ってた。女神様知識にも文化にまで浸透した生活用魔法についてはなかったな。
私もこういうのは覚えていかないといけなさそうだ。
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