第33話 忍び
かなりアクセサリーが貯まったので本田さん達にあげる為に葛飾ギルドに来ている。
「本田さん!」
「お。忠野さんどうしたんですか?」
「あ、これをドロップしたんであげようかなと思って」
とスターネックレスを渡す。
幸太君が欲しそうに眺めているので幸太君は若いからこっちの方がいいと思ってね。
とアクセサリーをジャラジャラと渡したらすごく喜んでくれた。
「今どこら辺ですか?」
「今は25階層を突破したところですよ」
「そこからさらに強くなりますからね?」
「わかってます。ドラゴン系ですよね」
「はい。自分もそこで挫折しそうになったんで」
「忠野さんが!」
ビックリしてる2人だがレッドドラゴンに手こずってやめようかと考えたこともあるのは事実だ。
「そんな時幸太君に言われたんですよ、焦ったら死にますって、だから救われたんです」
「俺そんなこと言った覚えないですよ?」
「あはは。立ち話だったからね、でもそのおかげでレベル上げしてなんとか攻略できたんだからありがとう」
「えへへ、いや、そんな」
照れている幸太君だが。
「29階層のレッドドラゴンは本当に強いです!必ずレベル上げてからにしてくださいね?なんなら他のギルドで腕試しをするのもありかも」
「そんなにですか、そうですね、幸太と考えてみますよ」
「良かった。頑張ってください」
「はい!」
ギルドの受付からチラチラ見てる今野さんがいる。しょうがないから行くか。
「こんにちわ」
「今日はどんなものですか?」
あはは、もう買う気でいるなぁ。
「今日はアクセサリーですね、耐性のあるアクセがドロップしたので」
「いいですね!見せてください!」
別室で色々見ている今野さんは鑑定をしながらなんてことのないように喋る。
「マジックバックは売りには出さないみたいですね」
「そうなんですか?」
「なぜか、上の方で話が止まってるみたいでそこから走りませんけどね」
はぁ、人間は欲深いからなぁ。
「そうですか」
「そうです」
「あ、これもなんですが、勇者達がダンジョン攻略を始めましたよ」
「へぇ」
「上からの指示で新宿ギルドにいるみたいです」
あぁ、ここでもか。
「そうですか」
「はい。それでは査定が終わったんでこれでいかがでしょうか?」
「はい。いいですよ」
「ありがとうございます」
「いえいえ。普通に査定しただけなんで」
やはり普通の今野さんみたいにはできないのかね?
「それではこのことは内密にことを進めなさい」
「はい!」
「ふぅ。これが上手くいけば」
「上手くいけばなんなんですか?」
「だれだ?」
と振り向いた先には俺がいる。俺はいつものスタイルで、近藤統括の部屋にいる。
「た、忠野さん。これは」
「いけませんよ?近藤さん、独り占めなんてしてたら」
「それは。わ、わたしにだって夢があるんです!」
「それはマジックバッグと関係はない」
「それは、、」
「こんなことしたくないですが俺は嫌いなんですよね?そう言うことが」
「どうするんです?私を殺しますか?」
「いえ、そんなことしても意味はないでしょうし私がマジックバッグを世間に公表しましょうか?」
「なんで邪魔をするんだ!金か?ならくれてやるから!」
「そんなものもう入りません、しかし、人の口に戸は立てられないですからね」
「うぐ!これは忠告です。あまり自分勝手にやってるとしっぺ返しを喰らいますよ?」
俺は片手で喉を持ち上げると離す。
「ゴホッゴホッ!あ、あなたにはわからないんですよ!私の気持ちなんて!」
「分かりませんね、分かりたくもありません」
「クソッ!クソぉ!」
拳銃を持ち出して来た。
「は?そんなものが当たるとでも」
「くっ!そ、それは」
「まぁまた来ますよ、今度はちゃんと公表してくださいね」
俺は影潜りでその場を去った。
次の日にはマジックバッグが公の場に姿を出した。
近藤は何をしようとしていたのかわからないがまぁ、今となってはどうでもいいか。
「やぁ。また来ましたよ」
「どうやって入ったのかもわからないがちゃんと公表したぞ?」
「それでいいんですよ」
「クソッ!もういいだろ?帰れ!」
「そうさせていただきますよ」
俺はまた影潜りでその場に止まる。
「だが、これで、先に進めるか」
「おい!だれか!」
「はい!忠野健人を捕まえろ」
「はい!」
俺を捕まえる?
「なんで俺を捕まえる?」
「な!帰ったんじゃ!」
「なんか企んでるなと思ってさ。答えによっては殺すしかないんだけど」
「ぉまえが!お前が俺の邪魔をしたからだ!」
“パンパンパン”
と、拳銃の音を響かせる。
「くそ!どうなってんだよ?」
「位置を交換したまでですよ?」
「ゴブッ!くぞ!ごごまでが!」
「統括!」
「いかん早く病院に!」
俺は影潜りで家に帰ったら警官が来たので応対する。
「ご同行を!」
「だから?なんのためだと聞いているんだが?」
「恐喝の疑いがあると」
「さて?誰をですか?」
「それは」
「ちゃんとしてから出直してくださいね」
「俺は扉を閉めた」
「なんじゃやらんのか?」
「ここは日本だからね」
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