第16話 魔力調整


 新宿ダンジョンはなんだかんだでレアモノが取れるな!26階層も気合を入れてみたが、やはりダンジョン型で、敵はバイコーン、二つの角を持つ馬だった。

 突進して来るのでこちらも突進してかわし様にダガーを突き立てると消えてなくなる。

ドロップは2本のツノだ。これをどうするんだろ?まぁ、ギルドに持って行くか。


 27階層はハーピィ、ダンジョンでハーピィなんて、そんなに飛べないんじゃ倒してくれと言わんばかりだろ!っと倒してドロップがハーピィの羽一枚。


 28階層はライガーだったので張り切って斬り裂き!ドロップは牙だった。


 29階層、カーバンクル?小さくてすばしっこい、魔法は跳ね返すから使えないし敵にすると厄介だな!素早さ勝負で俺が勝って斬り裂きました。ドロップはカーバンクルの宝石。これが一番いいのかな?


 30階層、初の30階層の敵はデュラハンだった。逃げ場はないから倒さないとな!

素早さで勝負してダガーで斬りつけるが上手いこと躱される。

 しまったな、安易に突っ込むんじゃなかったか?

「大丈夫!ーッシ」

“キュオォォォォォ”

と言う音と共にデュラハンの兜に当たる。

するとデュラハンは消滅した。

「すげぇな。ミスティ」

「ケントも出来たはず!なぜ魔法を纏わせない?」

「いや。纏わせらせるんだが…こうなるんだ」

 俺の手からダガーを通して大剣のようになっている。

「うそ。魔力がそんな形に?」

「そうなんだ、こうなるから使いづらくてな」

「魔力の調整が効かない?」

「操作しようとしても上手いこと行かなくてな」

「魔力の調整を鍛える」

「これなんとかできるのか?」

「あぁ、調整は出来るはずだから」

 とりあえずドロップのデュラハンの大剣をしまい、宝箱を開けると金貨60枚が入っていた。そしてミスティに教わりながら魔力循環から始める。


「ケントは多分膨大な魔力を持っている、だけどそれをうまく使いこなせてないから魔力を体の中で循環させることをまず学ぶ」

「おう」

「魔力を内側に向かって循環させて行く。右手から右足、それから左足から左手、頭の順に回して行くイメージ」


 俺の魔力が回ってる感じはするがゆっくりと言っていたな、ゆっくりだ、ゆっくり動いてくれ。

「まだ早い、ゆっくり回して。時計の針のようにゆっくり」

 早いってさ、まだゆっくりだ。

「いい感じ、そしてそれを内側に留めておく。今よりもっと速く走れるし体も丈夫になる」

 それはいいな。内側に留めておく。

「うん。それでいい、それを普通に続けられるようになれば今よりもっと強くなれる」

「あぁ、少し分かった気がするよ」

「それにしても初歩」

「だろうな、俺らは初歩もできていないからな」

「まぁ、しょうがない」

「悪いな」

 それから俺はことあるごとに指摘されて魔力循環を覚えていった。

 春になり桜が咲く頃、俺は魔力循環を覚えた。

「よし。それじゃあ行くぞ」

「はい!」

 俺は右手のダガーに火魔法を纏わせると、左手には光魔法を纏わせる。

「凄い上手ですね」

「火力調整もできるぜ!」

 二刀流の剣みたいに細長く魔力を流す。

「凄い凄い!」

「へへ!やっとマスターしたぜ!」

「あまり調子に乗っちゃダメ」

「おう!」


 ダンジョンの運用もようやく形になってきたみたいだが、それと同時に融通が効かなくなる。しょうがないことだがな。

 

 冒険者もちらほら見受けられるようになって数ヶ月が経つのでよく止まられる光景になってきた。


 まぁ、よくない冒険者もいるようだがな。


「なんでこの買取価格なんだよ?この前まではもっと高かっただろうが!」

「それは適正価格に直されたものですので」

「じゃあなに?これがなくなれば高くなるってわけだ」

「そうなりますね」

「じゃあ、これを俺が買い取ってやるよ!それでなくなったら言ってくれ?俺が高値で売ってやるからさ」

「それは禁止されていますので」

「誰もお前には売らんし、これが適正価格なのはわかるだろ?」

「ぎ、ギルド長」

「な、なんだよ!俺は冒険者だぞ?」

「俺もそうだし、ここにいるみんな冒険者だが何か?」

「ギルド長なら話が早い!これを「それは俺がお前から冒険者の資格を剥奪していいんだな?」え?」

「冒険者失格とする、冒険者カードをここに出せ」

 警備員に迫られてカードを出すと破棄される。

「お、お前ら覚えとけよ!」

 走り去る冒険者もどきを見て、

「おー怖い、俺も剥奪されるかもしれないから帰ろうかな」

「忠野君、君は僕の友達だ」

「おぅふ!気持ち悪い」

「そんなこと言うなよ!さぁ、別室に行くぞー!」

「さっきまでと態度違くない?」

「それはそれ」

 ミスティも冷たいなぁ。

 

「で?何を持ってきたんだ?」

「んー、今日は特に珍しいものはないかな」

「そうなのか」

「そう。バイコーンのツノとハーピィの羽根、ライガーの牙にカーバンクルの宝石とデュラハンの大剣かな?」

「25から30まで行ったのか!さすがだな!」

「とこれがマッピングしたやつね」

「おう!これで30までは大丈夫だな」

「行けるやついるの?」

「ここに二人ほどな」

「あはは、そりゃそうだがな」

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