第13話 火竜
なんとか起き上がるとミスティが俺の股の間で体育座りで待っていた。
「ふう。なんでそんなところにいるんだ?」
「落ち着くから」
「そうか、ならどいてくれ、そろそろ起きる」
「そう」
退いてくれないので起き上がってコショぐると、
「アハハハハアハハハハ!」
「どうだ?退くか?」
「ど、退くからハハハハハ」
と初めてこんな笑い声を聞いた気がするな。
「ヒュー、ヒュー、ひどい人」
「お前がな!んじゃドロップ持って帰るか!」
「酷い人!」
頬を膨らませて怒ってますアピールをしてくる。
「またやるぞ?」
と言うと一歩下がって、
「酷い人」
と言うと逃げるので追いかける。
「いやぁあぁぁぁ!」
「ったく!子供じゃないんだから」
ドロップをバッグに詰めて鍵があったので宝箱を開ける。
金貨だが少ないし違う金貨?
「あ、白金貨」
「白金貨?」
「レアだと思う、一枚で一千万リラになる」
「まじか!それが5枚もあるぞ?」
「私に一枚ちょうだい」
「あぁ、やるけど」
「やた」
あとはどうするかな?とりあえずマジックバッグに入れておこう。
25階層から1階層に戻ってきた俺たちはちょうど幸太達に会うと、
「あんちゃん!どこまで行ってきたの?」
「今日は25階層までだな」
「すごっ!」
「な!だから言っただろ?」
「あ。これやるよ!」
「あ!ピアス!わざわざ取ってきてくれたんですか?」
「たまたまだよ」
まぁ、幸太君にあげようとは思ってたけどね。
「こ、これ!凄い値段してたんですけど?」
隣の女の子が言って来る。
「あぁ。ちゃんとドロップ品だからもらっていいよ」
「やった!」
二人ともスピードピアスを着けて動くと、
「すごい!これは凄いですね!」
と喜んでくれた。
「女の子は武器を持ってない様だけど?」
「私は魔法を使います。だからトレントのタクトを待ってます」
「ああ。ちゃんと持ってたんだね心配したよ」
「あの、ありがとうございます」
「いいえ。どういたしまして」
二人と別れてギルドに入る。受付に別室を頼むと今野さんがきてくれた。
「はい!今日はビックリしない様に頑張ります」
毎回ビックリしてたのか。
「じゃあまずはこれ」
白金貨を一枚出すと、
「金貨?でも色が違う様な」
「白金貨らしいです。一枚で一千万リラ」
「ブッ!ゴホゴホゴホゴホ!」
「大丈夫ですか?」
「いっ、一千万リラですか?」
「はい」
そりゃビックリするよな。
「これはお売りに」
「一枚だけですが売りますよ」
「ありがとうございます」
頭を下げる今野さん。
「頭を上げてください、まだあるんですから」
「はい!」
「ボーリング玉くらいの魔石に」
「魔石!こんなでかい魔石!!」
「ビックリしすぎでしょ」
「ちょっとこれは上を呼んできます」
ギルド長に副ギルド長も来てビックリしている。
「これはなんともデカいなあ」
「しかも白金貨ですか?凄すぎてどうしましょうか?」
「買取価格は十万倍?金貨一枚が一万だから十億はちょっと無理だろ!」
「じゃあ。展示様に貸す形でもいいですよ」
「そうしてくれると助かる!ありがとう!」
頭を下げるギルド長達。
「あとはその巨大な魔石だな。…よし!五千万円でどうでしょう?」
「いいですよ?」
「ありがとうございます!!」
後は任せたと言ってギルド長は魔石を持って行ってしまった。
「あとのものはそうないですから」
「そうだといいんですけどね」
いろいろと相談して決めた値段で合計が八千万円になった。端数は切り上げだ。
「こんなに儲けていいんですかね?」
「はい!儲けてもらわなきゃ次が育ちませんからね」
もう冒険者ブームにはなってると思うけどね。
ギルドを後にして肉が好きなミスティを焼肉に連れて行く。
「さぁ、じゃんじゃん食べろよ」
「モグモグ」
「ってそれはまだ生だって!」
「大丈夫食べれるから」
「火を通しなさい!」
「はい!」
ユッケを頼んだら、今度はユッケにハマり出す。
「こら他のも食べろ!」
「はい!」
と言うふうに言わなきゃ好きなものしか食べないんだからな。
野菜は?食うわけないか。
米すら食わずに肉で腹一杯にしている。
焼肉を食べて帰る途中でやっぱりムッとしたのか吐くのを我慢している。
「食べすぎるからだぞ」
「はい」
車の中で吐かれたら困るので急いで家に帰るがその頃にはケロっとしていて、アイスを食べていた。
エルフはみんなそんなんなのか?
次の日は25階層から出発する。
まだ、余裕があるから今のうちにレベルを上げたいのもある。
26階層、まだフィールド型は続くと言うよりもフィールド型しか無いのか?襲って来るのはワイバーンの色違い?24階層に居たのはグリーン系だったけど、今度は赤系だ。
と思ったら炎を吐いてきた。ファイヤーワイバーンらしい。またミスティが落として俺が止めを刺している。ドロップ品は赤い皮と、爪だ。嘴もあった。
27階走はグリーンドラゴンだ。
流石にデカくて身震いしたがミスティはこめかみ一発ぶち込んで倒していた。
スゲェな。
俺も負けじと倒そうとするがなかなか倒れずに一時間かけてようやく倒せた。
やはりダガーだと攻撃力がないなぁ、
ドロップは皮と牙だ。
28階層はブルードラゴンだった。湖の中にいて中々倒せない!ミスティも矢を当てるのがやったらしい、魔法で攻撃しながら戦いようやくミスティの一撃で倒れ、ドロップはまた皮と牙だ。
少し休んでなんとか体力を回復して29階層に入ると火竜だった!あんな巨体が空を飛ぶなんてと思いながら、ミスティが矢を撃って降りてきたところで切り刻むがある程度ダメージをくらったら尻尾のぶんまわしが来て俺が吹き飛ばされる。
回復して。また立ち向かうが、迅雷もなかなか通らない!
時間も時間なのでここらで逃げることにした。
「レベルがあれば俺も勝てたのにな!」
「しょうがない」
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