第10話 ギルド


 ボス撃破ボーナスがなんでこんなにあるんだ?普通は最初の一回だけだろ?

「ラックで決まる、ラックが低いとボス撃破ボーナスは無い時がある」

「へぇ、そうなんだな」

 ボス撃破ボーナスを開けて行く。

『スキル 光魔法』

『スキル 睡眠無効』

『ユニーク 一撃死無効』

『職業 忍者』

 おお、ユニークまで出たのか、でもこれはいいな!

 あと忍者ってなんだ?


 おしっ!これでミスティの足を引っ張ることも少ないだろう!

 17階層にきた。トレントという木のモンスターだ。

「ファイヤーボール」

 火をつけるとコミカルに動くので面白かったが、こっちに向かってくる時は肝を冷やした。ミスティが水魔法をぶつけなかったらと思うと危ない危ない。

「トレントは風魔法で切り倒した方が早い」

「言えよ!」

「トレントが炎ついたら面白かったからつい」

「まぁ、わからないでもないからしょうがないか」

 ドロップはトレントの木材?どうしろっていうんだ?とりあえずマジックバッグの方に入れておく。

 18階層、ハンマーヘッドというモンスターだ。頭突きをしてくる人型の気持ちの悪いモンスターだな。迅雷でサッサと倒して行くとピアスを落として行く?

 鑑定で調べるとパワーピアスと言うそうで力が上がるそうだ。

 何個かゲットしたんで売ろう。

 19階層、上級ゴブリンだ。今までと体格が違うな。こちらに気づくと団体でやって来るので来た順に斬り倒していく。こちらもピアスを落としていき体力のピアスが8個にスピードピアスが2個も落ちた。

 上級ゴブリンはいいねぇ。


 ようやく20階層だ。

 扉を開けるとゴブリンナイト?にソルジャーが六匹みたいだな?そんなに強いのかと思って一当てすると、いい動きをするじゃないか!

「ハハッ!こいつはいいや!」

 ミスティは他のゴブリンソルジャーを倒して見ている。

 ゴブリンナイトは俺と同じでスピードタイプの様だ。少しづつ削っていき最後には倒れた。敵だけどちょうどいい実践相手だったなぁ!

 ドロップは生命のピアスにゴブリンナイトの剣。後鍵で宝箱を開けるとガチャに金貨が20枚入っていた。金貨は二人で分けて、ガチャはミスティが使うことに、

「私も火魔法を覚えた。これでお揃い」

 まぁ。お揃いって言われちゃお揃いだけどな。

「よし。今日はこの辺であがろうか!」

「うん!」

 ボードに手を当てて1階層に行く。

「忠野さん!」

「おう。本田さん」

 ちょうどあったのでピアスを渡す。

「これでスピードが上がるんですか?お、おお!すごいですね!いいんですか?」

「いいですよ。18、9階層に行くと取れるんで」

「もうそんなところまで行ってるんですか?」

「本田さんは?」

「あはは、俺は今6階層にいますよ。レベル上げの最中ですね」

「そうですか。あっ!この剣も入ります?」

「えっいいんですか?もらってばっかりで悪いですよ」

「あはは、いいですよ、それに死んでほしくないですからね!」

「う、うぅ。忠野さんは優しいんですね」

「ほら泣かないでください!この剣は結構いいと思いますから!」

「ぐすっ!はい!頑張ります!」

「お互いに!」

「はい!お互いに!」

 硬く握手をして別れた。

「良いのあんなにあげて?」

「んー、できれば死んでほしくないかな?初めて声かけてくれた人だしね」

「ふーん」

 あとはギルドに持って行くだけだがトレントの木材をマジックバッグから出して担いで持って行く。

「あ。ちょっとすみません買い取り良いですか?」

「え?あっはい!別室で」

 とトレントの木材を別室にそっと置く。

「忠野さんお待たせしましたって、え?木材?」

「トレントの木材ですがどうでしょうか?」

「トレントの木は魔法と相性がいいから杖なんかの発動体に使える」

 ミスティが長文を喋るとは、

「そうなんですね?それは良かった!この頃魔法使いも増えましたしね」

「そうなんですか?」

「冒険者が増えてきてるのもいい兆候ですね」

「へえ、そうなんだ」

「だからここらでマップを販売してるのはここだけですからここは人気のギルドなんですよ!」

「それは良かった」

「これも忠野さんのおかげです」

「あはは、死んでは何にもなりませんからね」

「そうです!死亡率もここ最近はゼロですからね!」

「そりゃ凄い!」

 良かった、やってきたことは間違ってなかった。

「あ。後これが今日の収穫の目玉です」

「どれどれ?これはピアス?」

「これが力のピアスであとはスピード、体力、生命ですね」

「もしかして」

「ステータスが上がりますね」

「ウオォ!そりゃいい!これは売れますよ!」

 まぁ、売れるだろうね。少しだけマジックバッグに入れてある。誰かにあったらあげる様に。

「それでは買い取りの方をさせて頂きますね」

「はい!」

 また大金をゲットしたのは言うまでもない。


「忠野という男がいると聞いたがあんたか?」

 急に別室に入ってきたのはスーツを着た大男だった。額には傷跡がある。

「あっ!今終わりました」

 今野さんも恐縮しているな。

「はい、俺ですが?」

「悪いが付き合っちゃあくれねえかな?」

「査定が終わったんでいいですよ」

「話が早くて良かった」


 外のカフェに連れ出された俺はコーヒーを頼む。ミスティはケーキセットだ。

「忠野さんは葛飾ギルドでしか動かないのか?」

「別にそんなことはないですよ?ここが一番近いだけなんで」

「なら新宿ギルドでも同じ様にマッピングと攻略をしてもらえないか?」

「新宿ギルドで?」

「あぁ、人は多いんだが死亡率も多い、なんとかしたいと思ってたんだ」

「あぁ。だからギルド長さん自ら来たんですか」

 鑑定でギルド長と出ていたからね、

「え?名乗ってないはずだが」

「鑑定が使えるので見せてもらいました」

「そうか、なら話は早い!お願いしていいか?成功報酬は払う」

「そういうことならやりますよ」

「ありがとう」

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