第9話 ミスティ


「せい!は!は!」

「ーッシ」

 俺が斬り漏らしたモンスターが矢で射抜かれる。

「ナイスミスティ!」

「まかせて!」

 ミスティはナイスタイミングで倒し損ねたモンスターを倒してくれている。

 今は11階層だ。グラスウルフを倒しているところだがやはりもう一人いると違うな。

12階層に降りてハンティングベアを倒しているがやはりミスティがいると楽だな。

 俺もがんばってるけどミスティの矢はほとんど一発でたおしている。

「強いなミスティ」

「そうでもない、ここら辺のモンスターなら問題ないけど」

「そうか、苦手なモンスターもいるのか?」

「硬い敵は苦手なの」

「ふーん。硬い敵はそんなにでてこないじゃないか?」

「そうでもないよ」

そのまま13階層にいくと、

「ここは苦手、ハニービーを射抜くのは簡単だけど」

「そうか。じゃあファイヤーボール」

「そういうこと」

 出てきたハニービーを二人で片付けていく。

 ドロップした針や蜂蜜を手に取る。

「ん、甘いぃ」

「ここのはちみつはうまいよな」

 14階層まで早かったな。

 大蛇は本当に苦手だな、あのニョロニョロが結構気持ち悪い。しかもでかいしな。

“シュオオオォォ”

“ドスッ”と言う音と共に大蛇が倒れて消えて行く。こう言うところも苦手なモンスターを討伐できるからいいね。

 パーティー戦は意外にもいいな。

15階層、オーガ戦、

 俺が撹乱している間にダメージを与えてくれているので簡単に倒すことができた。

 ここまでの簡単なマッピングもしてあるし、これで十分だろ?

「まだ下に行く?」

「いや。今日はいいだろう」

 1階層に戻ると、怪我をしている奴がいたので回復魔法をかけてやる。

「あ、ありがとうございます!」

「いいけど無理するなよ」

「はい」

 でかいリュックを背負ってるやつに回復魔法をかけられた事は内緒にしてもらった。

 ギルド内に入ると受付に行く、別室にて買取をお願いして、マッピングもできているのでそれも渡す。

「いやぁ、忠野さんには本当に助けられてます。ありがとうございます」

「いや。まだまだですよ」

「では買い取りの方を」

 またたくさん出して驚かれるが今回は二人で倒したものだからな。

「今回は二人で倒してきたので半分はミスティの口座に入れてください」

「わかりました」

「ミスティは一部現金でお願いしますね」


 車に戻ってみるとミスティが震えている。

「フオォォォ、これがこちらの紙幣か?緻密だぁ」

 その緻密さに驚いている様だったのでそっとしておいた。

 買いたいものがあるそうなので連れて行くとノートパソコンを買うと言う。まぁ俺のは仕事用だったから型遅れで埃かぶってるしな。

「これでいい」

「お支払いはカードで?」

「これで!」

 んー、現金を使いたかっただけのような。

 うん。いい笑顔だからいいか。

 セッティングまでしてもらって今パソコンと格闘している。

 これで常識を習ってもらえるか。

「あーん、あ、あ、」

 エロい声が部屋に響く。

「なにやってんだよ!」

「いやこちらの性交渉はどんなもんかなぁと」

 さっさと消して、

「あーぁ、ウイルス入っても知らないぞ?」

「そうか、こういうのがあるからエロ本がないんだ」

「うるさい!そんなことじゃスマホも買いに連れてかないぞ?」

「そんなにスマホは便利なのか?」

「んー。まぁあった方がいいかな」

「よし、すぐ買いに行こう!」


「はぁ、十数万が一気になくなってしまったな」

 りんごのやつはお高いです。

「私のお金だから気にしなくていい」

 パソコンが欲しいって言うから連れて行ったけど、スマホがあればいいじゃないか。頭になかったな。

「これはどうつかうのだ?」

「ん?これはこうだよ」

「ほうほう!すごい」

 俺も古い機種だったから最新のにした、まぁ、使い方は大体でわかる。

「ケント」

「ん?」

“カシャ”

「よし。これでいい」

「何がいいんだよ?」

「うふふ。ひみつ」

 クールキャラっぽいのに無邪気なんだから卑怯だよなぁ。

「次は俺の買い物だからな」

「さっき自分も買ってた」

「あれはついでだ」

「ぶー」

「んじゃ、いくぞ」


 俺は今のバックじゃ少し小さいと思ってたからバックパックの様なでかいリュックを買うつもりだ。ミスティの分まで買ってこれだけあればいいだろう。

「なぜ二つも買うの?」

「ミスティの分だ」

「マジックバッグがあるのに?」

「バレるとめんどくさいだろ?」

「戦争になる」

「だろ?だからだよ」

「わかった」


 15階層からまた進んでいく。

 16階層はオークソルジャーだ、オークには変わりないが体力が多い様だな。まぁ、俺もレベルが上がってるし、ミスティなんかは格下相手で少し暇そうだ。

 ステータスは、


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 忠野 健人タダノケント  23歳

 レベル 38(限界突破)

 スキル アクセル 迅雷 初級回復魔法 初級風魔法 麻痺無効 毒無効 初級短剣術 追撃 鑑定 初級火魔法

 ユニーク 疾風怒濤 

 称号 ラック限界突破

    ボス撃破ボーナス(未)

    ボス撃破ボーナス(未)

    ボス撃破ボーナス(未)

    ボス撃破ボーナス(未)

 装備 黒狼の外套

    スピードピアス

    黒狼の小剣

    銀狼のダガー

    赤龍のダガー

    マジックバック(大)

    クロスベルト

    黒狼の胸当て

    黒狼のブーツ

              1315000リラ

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 ミスティ   ???歳

 レベル 121

 スキル 弓術極 ムーンショット ストリームショット 三連射 付与 幻術 風魔法極 緑魔法極 毒耐性 麻痺耐性 睡眠耐性

 ユニーク 月の雫 夢見

装備 銀の弓

   飛竜の靴

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 なんかボス撃破ボーナスが大量にあるのだが?なぜだ?

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