第83話 キメ○ク2

 ゼル姉さんがマントを開け放った先には貝殻ビキニアーマーの素晴らしい光景が広がる。爆乳ではないが間違いなく巨乳に類するゼル姉さんの胸元と股間を覆い隠すホタテのような白い貝。


 ヌードよりも明らかにエロい。


 貝殻は布のように胸の丘陵の形を追従できておらず、下乳や横乳がこぼれ放題なのだ。ヤバい薬で興奮状態の今の俺ならズボンを一撫でされただけで昇天してもおかしくない。


 恐ろしいことに漏らしたわけでもないのに欲望を抑えようと我慢を重ねるほど俺のパンツが湿ってくる。


「ほら、トウヤ。遠慮してないで触れてくれよ。私が肌に触れて欲しいと思ったのは貴様が初めてなんだよ」


 ゼル姉さんは俺の手を取った。


 それだけで掴まれた手首から全身に快楽物質が駆け巡ったような感覚に陥る。


 も、もし……ここでゼル姉さんと一戦交えでもしたら、俺はどうなってしまうんだ!?


「ダメだ! 俺はゼル姉さんとは良き友人として付き合いたい。だ、だから……はあ、はあ、こんなことはや、止めるんだ……」

「トウヤは私と友だちになってくれるんだな。うれしいよ」


「分かってくれたなら、早くマントを羽織ってくれ……限界なんだ……」

「メルフィナが言っていたよ……。トウヤの国では友だち同士で愛の契りを交わすそうじゃないか。なんだったかな? そう! セフレだ!」


 ぶふぉっ!?


 俺の名誉のために弁解しておくが断じてメルフィナにそんないけない文化を教えたことはない。ただ彼女が俺に隠れて蔵にあるお宝コミックに目を通してしまっていたのなら……。


 それほどまでにメルフィナとゼル姉さんは和解していたのかと痛感させれた。いやいいことではあるんだが、そのことで俺の名誉は地に落ちてしまっている。


「私と愛の契りを結べば、トウヤにレーヴァテインを生んだ土地を案内しよう。悪い取引じゃないと思うぞ」

「くっ、くっ、くう……」


 俺は獣のように湧き上がってくる凄まじい性欲を親指を噛んで耐えていた。だがあろうことかゼル姉さんは、あのレーヴァテインの謎の金属について知りたい欲望までを刺激してきたのだ。


「はっ、はっ、はあ、メ、メルフィナとの仲をまた悪くする気か! せっかく仲直りできたっていうのにまた二人が剣を交えるなんて場面、俺は見たくねえ!!!」


「私はメルフィナと剣を交えてでも、トウヤと交わりたい……それくらい私は貴様のことが好きなんだ……察しろ……」


 俺の胸元にゼル姉さんは肌を重ねてくる。


 んぐっ!


 これじゃ逆通風だ!!!


 ゼル姉さんの体温が伝わるだけで幸福感と快感の津波が押し寄せ……。


 俺は爆発させてしまった。


 若いときに夢精してしまったような気分に陥る。


 触れられただけで、こんなに気持ちいいなんて……。それだけじゃない、賢者になるどころか、俺はまだ愚者のままだ。


 あまりのことに呆気に取られているとゼル姉さんはその隙をついて、俺を壁に押し込んだ。壁にどんと俺の背中が軽くバウンドしたかと思うと唇に柔らかい感触がした。


 ん!


 よく見るとゼル姉さんは俺に唇を重ねている。まるで昔からの男のような女友だちが、秘めた想いをぶちまけるような情熱的なキス……。


 男装していたあきらとはまったく違うゼル姉さんの俺へのあふれる感情に、一瞬でも気を抜くと押し流されてしまいそうになる。


 少しでも落ち着こうとゼル姉さんの肩に触れ、距離を取ろうとした。


 だが……。


「ゼル……」

「トウヤ……」


 蒼い瞳を潤ませるゼル姉さんを見つめるだけで愛おしさとヤりたい気持ちでいっぱいになってしまう。


 もうどうにでもなれ!


 と投げやりになったときだった。


「はあ……目を離すとやっぱり……」

「トウヤさま……」

「メルフィナッ!?」


 ゼル姉さんは何かを察し、横を向くとギョッとする。聞き慣れた美しい声がしたかと思ったら、俺たちの逢い引きをガン見しているメルフィナと日影さんがいた。


 俺はメルフィナの前で膝が崩れ落ちてしまう。


「メルフィナ……ごめん。俺は自分の欲望に抗えなかった……」


「旦那さま! とんでもありません! ゼルを煽ったのは私ですから。彼女が旦那さまに想いを寄せていたことが分かっていたのに、彼女の前で旦那さまとの仲好しを見せたのですから……」


 メルフィナは俺の手を引き、日影さんは虚脱したゼル姉さんの身体を引きずっている。


「メルフィナ、な、なにを!?」

「ちゃんと話してくれれば、考えないでもなかったのに……私の旦那さまを勝手に誘惑した罪はその身体で償ってもらいます」



――――路地裏の宿屋。


 メルフィナは宿屋の主人と一言二言、言葉を交わすと決して豪華ではないがよく手入れがされ、小綺麗な部屋を割り当てられた。


 なぜか、俺とゼル姉さんはツインのベッドの上にいる。メルフィナと日影さんは脇で俺たちを見ていた。


「旦那さま、ゼルにそのたくましいものでお仕置きしてあげてください」

「なっ!?」


 貝殻ビキニアーマーのままベッドに寝かされたゼル姉さん。日影さんがサムアップしているところを見るに、どうやら彼女がゼル姉さんを拘束しているらしかった。


「メルフィナ、た、頼む! 私は初めてなんだ、せめて【堕天の誘惑】を飲ませてくれ」


 拘束されているにも拘らず、ゼル姉さんは手足をじたばたさせ激しく暴れている。ゼル姉さんの慌てぶりを見るにキマッた俺の相手をするのは大変らしい。


「旦那さま、遠慮は要りません。欲望の限り、ゼルを調教してあげてください」


 ん!?


 メルフィナが俺にキスしてきたかと思うと口の中に何か放り込まれた。


 店の外にいたときのような興奮が俺を襲う。


「ト、トウヤ……落ち着こうな! な! 私たちはそう友だちだからな」


 半裸で寝かされているゼル姉さんを見た瞬間に俺の理性は完全に飛んでいた。


―――――――――自主規制―――――――――


 今晩はお楽しみ中です♡


―――――――――自主規制―――――――――


「おほーーーーーーーーっ!!!」


 一晩中、ゼル姉さんのおほ声が部屋の中に響いており、防音替わりに土魔法で遮音せざるを得なかった。


―――――――――あとがき――――――――――

ゼル姉さんとの完全版ってご覧になりたい読者さまはいらっしゃいますか? またサポ限で公開の後、フォローと星がたくさんついていれば……。

それよりもですね、またロリ美プラをブキヤさんが発売するようです。作者のお財布のライフポイントはゼロよ(≧Д≦)

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