第5話
最近カモメの様子がおかしい。
出会った時から変な子だな、と思いはしたけれど。
私は人付き合いが苦手だから、カモメのようにぐいぐい来てくれるのは、ありがたい。
ショートボブで明るい茶色の髪色。
目も丸くて大きいし、あれがアイドル的な容姿って言うのかもしれない……
肌も健康的な色。む、胸も、私の3?いや、4倍はあるかも…?
…
……
………
よ、寄せたら、3倍くらいで済むかな………じゃなくて……
最初は不安だった。
こんなアイドルみたいな女の子と
こんなちんちくりんな私と
こんな、無人島に2人だけ。
知らない人と2人なんて、気を遣ったり、変な空気になったり。
ちょっとだけだけど、イジメられたり、パシリにされるかもって思っちゃった。
でも全然違った。カモメはそんな空気を吹き飛ばしてしまう。
だから私も素直になりたい。遠慮とか、相手の顔色を伺ったりしないでカモメとこの島で楽しみながら過ごして行きたい。
カモメみたいに真っ直ぐに、素直に、
すぐにはできないけど、少しづつ。
カモメってそっち系じゃ…ないよね?
たまに目が怖い。幽霊とかの怖いとかではなく、なんて言うのか。
おいしそうなご飯を見る時よりすごくて
可愛い猫とか犬を愛でる時よりすごくて
私の頭じゃ的確な言い方が分からない……
え…えっちな気分になる時の、目?
一番近いのはコレ、かも……
いやいや。カモメは私に発情してるって……自分で思うのはおかしくないか?
おかしいよぉ…
変だよぉ…
頭がぐるぐる回る。
ぐるぐる。
グルグル。
そして私は暑い中、気を失ってしまった。
-------------------------------------------------------------------------------
最近イルカの様子がおかしい。
出会った時は小柄で無気力な顔で、やる気のなさそうに喋って緊張感がない子だなと思ったけれど。
意外にノリが良かったり、会話してて気まずい雰囲気になんてならなかった。
私に合わせてくれてるのか、ただ普通に馬が合ったのか。
それでも私はイルカと喋るのが楽しい。
ロングの綺麗な黒髪で、小柄で、如何にもお人形さんって感じ。
いつも瞼が重そうな目で、肌はすべすべの白。
胸は本当に子供みたいで小さい。
たまに私の胸を見て喋ってくるのは、自分の胸の大きさを気にしてるのかもしれない。
でもねイルカ、あなたはそのままでいいの。
それじゃなきゃダメなの。
じゃなくて、様子がおかしいって話。
イルカの目がゴミを見るように、私を見てくる時がある。
分からない。私はイルカを可愛いなぁって見てるだけなのに。
見てるだけ。まだ何もしてない。
流石に私もそんな目線は傷つ…
「…あ”ぅ…」
思い出すと身が震える。
悪くないかもしれない…いや確認しよう、ちゃんと。
これは心が痛いんだって。そんな目で見ないでって。
私が嫌な事してたら謝るから、
私はイルカの元へ向かう。
いつもの日陰で珍しく横になって休んでいるイルカに声をかける。
「イルカ。ちょっと話があるんだ…け……」
寝ているだけかと思っていたけれど、どうもいつもの様子と違う。
横になって休んでいるのではなく、息を荒くして横になっていた。
「イルカ!?」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます