第2話 

「なんでイルカは平気な訳!?このままじゃ死んじゃうよ!」



汗が飛び散らせながら、私とは非対称な存在に怒りを露わにする。

炎天下の中で汗をダラダラと流す私と、日陰で微動だにしないイルカ。


「無駄に体力を使うのは良くない…ジッと耐えればその分いざという時動ける…かも…」


「無駄じゃない!体力もある!ご飯さえあれば人は生きていけるの!」


「そのご飯はいつも私が探してるよね…その私が動けなくなったら?」



私はトボトボと日陰に入り、イルカの隣に膝を抱えて座った。


「ごめんなさい…」


先ほどの勢いが嘘のように、濡れた瞳で小さくつぶやいた。



イルカは少し雑に私の頭を撫でた。でも少し優しさを感じる、そんな触り方だった。


撫でた手を見ているイルカ。




「カモメ…汗きもい」

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