ポンコツだけど、愛されてる?
一ノ木
第1話 約束⁉してた…
今日はなんの予定もないから少し遠くに出かけるか。一時間半、電車に揺られ休日を満喫していた。
お昼過ぎ、出先に友達から唐突に送られてきたメッセージ。
「今日教授のとこに行く日だったよね?」の文字。血の気が引くような焦りと、急激に高まる心拍数。
やらかした…
何も予定のない日だと思っていたが、教授と研究室でお話をする約束をしていたのである。しかし、もう大学から遠く離れた場所へ出かけていたので、今日行くのはもう無理だ!と諦め、メールを送った。
素直に謝罪をし、もう一度会う予定を立ててほしいという内容であった。
送信。これでとりあえず一安心(何を安心してんだ)と思っていた。
半日後、返信が来た。
「私は〇○先生ではないです。お送り先を間違えていると思います。」
噓だろおい!何やってんだお前!(私)と思ったと同時に顔がとても暑くなるのを感じた。自分の家で一人でいるにもかかわらず、恥ずかしさで真っ赤になっていたのだろう。一人でいるときに顔を真っ赤にしたのはこれが初めてである。
そして、お目当ての教授には何の連絡もできておらず、教授からすれば
「バックレて何も連絡してこないやつ」この状態が6時間もあったと思うと恐ろしい。
舐めるようにメアドを確認した後、もう一度メールを送りなおした。
返信もあり、再び会う予定を立てることができた。
これで話は終わりかと思いきや後日、
行き慣れた大学を40分も探索することになったのである。
会う約束をした当日、絶対に遅刻しないぞと思い、一時間余裕をもって大学へ向かった。今まで接点の無い教授だったので、研究室どこだろうと思いながら「行けば分かるよね」のモチベであった。
研究室があるであろう場所を2往復した。あれ、無いぞ。
ならあっちの方か?と思い、また二往復した。あれ、ここにも無い。
あれ?このキャンパスで合っててるよね?と思いスマホで調べた。もしかしたらそこに研究室の場所も書いてあるかもしてないという望みも持って検索した。
「キャンパスは合っている…研究室は書かれていない」
この時点で教授の研究室を探すために行き慣れた大学を四十分も探索した。
ついに限界を感じ、何人かにラインで研究室の場所を尋ねた。しかし、友達が教えてくれた道は、私が今まで通れないと思っていた通路であった。
段ボールが散乱していて行き止まりマークのある通路。
友達が教えてくれた順路を元に、疑いながら歩いた。
あったのだ。こんなとこに研究室が。
「これはわからん。秘密基地かよ。」
そんなこんなでたどり着けたのであった。
「無事に話も終えたし、買い物して帰ろう。」
これがさらなるハプニングの発生合図であったのだ。続く。
ポンコツだけど、愛されてる? 一ノ木 @ichinoki26-f
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