第8話 朝

「———もう、朝になったんだ……」


 燦々と輝く朝日で私は目を覚ました。


 隣にエリナはいない。


 昨日は何故あんなことになったんだろう……途中からあんまり覚えていない。


 とりあえず起きようかな。


 私はベットから起き上がり、リビングを目指す。

 リビングの扉を開けるととてもいい匂いがした。

 

「おはようございます、優菜様。」


 声のした方向を見るとエプロンをつけて料理をしているエリナの姿があった。


 エリナってほんとエプロン似合うなぁ……


 鳳条邸にいるときもエリナはよく料理を作ってくれた。彼女が作る料理はどれも絶品なのだ。


「おはよ、エリナ。朝早いね」


「優菜様の専属メイドとして当たり前のことです。」


「ふふ、ほんと頼りになるね、今日の朝ごはんは何?」


「今日は白米に、味噌汁、シャケ、サラダです。優菜様のご希望通り和食でございます。」


「やった! エリナの和食とっても美味しいんだよね」


「ふふっ、もう少しで出来上がるので座って待っていてくださいね」


「うん、わかった」


 私は言われた通りに席についた。


 それにしても……やっぱりこの家広すぎない?


 リビングだけでも大勢でパーティが余裕でできそうな広さがあり、ソファやテレビも無駄にデカい。


 流石はお父様と言ったところか。


 そうして待っていると食卓に朝食が並べられた。


「ふわぁ! 美味しそう!」


「腕によりをかけて作りました、どうぞお召し上がりください。」


「いただきます!」


 味噌汁のお椀を手に取り一口飲むと鰹の繊細な旨みと味噌の味が口に広がる。


 あぁ……染みるなぁ……


 朝の味噌汁は何故こんなに美味しいのだろう?


 シャケも身は柔らかく、味も良い。


 どれも絶品だ。


「ふふ、美味しそうに食べてくれますね」


「だってすごく美味しいんだもん」


「それは私も料理人日和につきます。それとこちら昨日の身体検査の結果です」


 そう言ってエリナが紙を渡してきた。


 あれってちゃんと身体検査だったんだ……疑ってごめんエリナ。


 紙を見るとそこには何やら色々なことが書いてあった。体の状態や、病気の有無などが書かれていた。


 よかった、何もなさそう。


 特に病気などもなくけんこうだったようだ。


「優菜様も去年より、バストアップされていたので下着を新調した方がよろしいですね」


「え! 本当に?」

 

 紙をよく見るとバスト、ウェスト、ヒップのスリーサイズも細かく書かれていた。


 バストのところが確かに上がっていた。


「本当だ! 上がってる!」


「おめでとうございます優菜様。」


「身体検査してくれてありがとね、エリナ!」


 今日良い1日になりそうな予感がする。


「……ふふ、またいつでもしますよ。優菜様がお望みなら」


「またよろしくね、エリナ」


「はい、お任せください。ふふっ」




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