第2話 令嬢友達

 朝食を食べ終え部屋でくつろいでいると部屋の扉がコンコンとノックされた。


「エリナです、入ってもよろしいでしょうか」


「いいよ」


「失礼致します。」


 扉がゆっくり空き外行き用のメイド服姿エリナが姿を現した。


「そろそろお時間ですのでお声がけを」


「ああ、そうだった」


 今日はあの子達と遊ぶ約束なんだった。


「ではゆうな様、しつれいしますね」


 そういうとエリナは私の服を脱がし始めた。


「いや、ちょっと! このくらい自分でやるよ!」


「いえこれもメイドとしての役目ですので」

 

 引き下がるつもりはないらしいので私は諦め抵抗をやめた。


 幼女に着替えさせてもらうとかどんな状況……いやもしかしてかなりご褒美な方では?


 そんなことを考えているとエリナと手が不意に私のお腹に触れた。


「ひゃっ!」


「どうかされましたか? ゆうな様」


 こんなとぼけたようなこと言ってるけど今の絶対にわざとだよね!? じゃなきゃこんな悪戯っぽい顔しないもん!


 その後もエリナに何かと肌を触られ、着替え終わるまで30分くらいかかった。



 ◇



「ゆうな、エリナ、まってましたよ!」


「久しぶり、玲奈。玄関で出迎えてくれなくてもよかったのに」


 この黒髪が可愛い幼女は如月玲奈。


 鳳条グループと同じく、日本五大グループの一つ如月グループの令嬢で大企業の令嬢同士として仲良くしており今ではエリナと同じくらいの親密度だ。


「親友たちと会えるのが待ちきれなかったんですもの!」


 そういうと彼女は今まで押さえてきた衝動を放つかのような私に強く抱きた。


 突然のハグに困惑し、抜け出そうとするも力が強くて抜け出せなかった。


「ああ……この抱き心地……それにこの匂い……たまりません!」


 抱きしめながら匂いを嗅ぐ玲奈を優しく抱きしめながら私はチラッと後ろを見る。


するとやはり冷たい目をしたエリナがじーっとこっちを見ていた。


(いや怖い怖い怖い)


 私は慌てて玲奈に声をかける。


「ん? エリナどうかしましたか? そんな怖い顔で見て」


「いえ……なんでもありませんよ玲奈様。」


「れ、玲奈、あの子はどうしたの?」


「あの子はへやで寝てますよ、とりあえず部屋に行きましょうか」


 そう言って玲奈は歩き始めた。


 玄関から2階への階段を上がってすぐに玲奈の部屋についた。


「里奈、入るわよ」


 玲奈は一言そう告げ返事を待たずに扉を開けた。


 部屋の中は子供らしいぬいぐるみの数々に小さいベットとまさに女の子の部屋という感じだ。


 そして部屋の中央にあるぬいぐるみに抱きついて一人の少女が寝ている。


「里奈、起きて。ゆうなとエリナがきたわよ」


「うーん……? おはよーれいな様。あ、ゆうな様とエリナもいるー!」


「昨日言っったじゃない。わすれたの?」


「あーそーいえばいってたきがしなくもなーい」


 この気怠そうな茶髪の女の子は東雲里奈。


 一応玲奈の専属メイドだがほぼ立場が逆転してしまっていて玲奈が里奈の面倒を見ている。


 本当になんで雇っているのか不思議なくらいだ。


 その時コンコンというノック音が鳴り、外から女の人の声が聞こえた。


「玲奈お嬢様、紅茶とお茶菓子を持ってまいりました。」


「わかりました。里奈、受けとってきてちょうだい」


「わかったー」


 りなは扉まで行くと女の人からトレイをもらうい、自分より大きいトレイを一生懸命運んでいる。


 そして無事テーブルにおくと玲奈が優しく頭を撫でた。


「りな、よくてきたわね。えらいわ」


「へへ、もっとほめてーー!」


「うんうん、えらいわ。さすがわたしの専属メイドね。」


 明らかに甘やかしずきな気もするがまぁ二人とも楽しそうだしいいのだろう。


 二人でじーっと見つめているとそれに気づいた玲奈がごほんと咳払いをしスッと元の表情に戻った。


「さて、ではお茶会をはじめましょうか。」

 

 玲奈がそう宣言し、お茶会が始まった。

 た。




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