美味しいティラミス
「ねぇねぇ」
「なにさ」
義姉さんに話しかけられた。
「弟君って甘いの好き?」
「まぁ」
「じゃじゃーん。ティラミス作ってみたんだけど食べない?」
「食べる食べる」
丁度お腹が減ってたんだ。
「これ。ちょっと頑張って作ってみた」
「おいしそうだね〜。でもなんか上の粉明るくない?普通もうちょっと茶色なような」
「買ってきたココアが明るめでね〜。まあしょうがないよ。食べよ食べよ」
「「いたたぎまーす」」
それなりにおいしい。店で出されてもいいレベル。
「おいしい?」
「おいしい」
「ふふ、よかった」
ただなんか…頭がふらっとしてきた。
「うんうん。ちょっとはや…けど…るね」
義姉さんは何を言ってるんだ?やばい、頭が…
「目、さめた?」
「んっ…ここは」
初めて見たところだ…この家に住まわせてもらって長いのに…
「地下室。はじめてきたでしょ?」
「うん…」
「当然だよ。お父さんも知らないおじいちゃんが勝手に作ったシェルターだもん」
「へぇ」
ってか、身動きが取れないぞ
「この手錠?鎖か。外してよ」
「やだよ。いまからやっと結ばれるんだから」
「どういう…こと?」
姉さんは紅潮して微笑む。
「私がティラミスに入れたのは、即効性の睡眠薬と遅効性の媚薬。もうじき媚薬が効いてくるんじゃない?」
そんなはずは…義姉さんに興奮するなんて…
「弟くんが悪いわけじゃないよ?幼馴染ちゃん?に友人って言ってるけど弟くんを狙ってる獣とか委員長さん?とかが悪いんだよ」
俺の前で…あいつらをバカに…するな
「えへ、一回言ってみようか。『弟くんなんて嫌い』」
あっ…心にくる言葉だ…いやいや、これは家族に拒絶されたからだし別に興奮してるわけじゃ
「大っ嫌い、死ねばいいのに、生きてて楽しい?」
なんだか…涙がでてきて…
でも、姉さんに構ってもらえてる嬉しさがある
「あっ、涙出しちゃった。ごめんねごめんね、弟くんのことを嫌いになんてならないよ。大好き、愛してる、私と一生そばにいてね」
えへへ、姉さんに抱きつかれて褒められてる。しあわせ。
「父さんたちは海外赴任で半年先までいないし、少なくとも半年は一緒にいられるね」
姉さんと半年間一緒かぁ〜。こんな美人な人といれてしあわせ!だいすき!」
「心の声が漏れてきてるね。えらいえらい」
「姉さん、愛してるよ」
「私も。じゃあとりあえずご飯作ってくるね」
ショートストーリー 月乃糸 @rast-one
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