哲学者のフクロウ
@peacetohanage
第1話
ある森に住むフクロウは、ちょっと風変わりで哲学者を目指していた。
フクロウが昼間、いつもの様にうたた寝をしていると、そこへ一匹の子リスが現れる。
二人が挨拶を交わし終わるなり、フクロウは早速持ち前の哲学を聞かせ始めた。
子リスはフクロウの話す哲学が、何の事だかさっぱりと分からず、さよならを言ってそこから立ち去る。
するとフクロウは「また一人、分からず屋め…」と呟きうたた寝を再開する。
しばらくすると一頭のシカが現れる。
二人が挨拶を交わし終わるなり、またフクロウが哲学を聞かせ始めた。
しかし子リスと同じで、シカにも何の事だかさっぱりと分からず、さよならを言ってそこから立ち去る。
するとフクロウは「また一人、分からず屋め…」と呟きうたた寝を再開する。
しばらくすると、昼間なのに珍しく一羽のフクロウが現れる。
二人が挨拶を交わし終わるなり、哲学者のフクロウはまた哲学を聞かせ始める。
すると今し方やって来たフクロウは、首を左右に振って口を開く。
「君は哲学者を目指してるが、哲学を教えさえしなければ、誰とでも分かり合えるのに。さよなら」
そう言うとそこから飛び去ってしまう。
哲学者のフクロウには、それが何の事だかさっぱりと分からず、思わず首を半回転させてしまう。
しばらく哲学者のフクロウがそこでぼんやりしていると、一羽のウサギが現れる。
二人が挨拶を交わし終わっても、フクロウは今度ばかりは哲学を聞かせ無かった。
するとウサギは逃げず、フクロウと世間話しを始め、二人はいつの間にか友達になっていた。
おわり
哲学者のフクロウ @peacetohanage
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