日常に溶け込む “違和感”―7
?????:「やれやれ、やることが変わりないからヒマだぜぇ」
とあるビルの屋上に床に敷いているシートに胡坐を掻き、
あくびをしながら無精髭が目立つ作業着風の男性が双眼鏡で観察をしていた。
その横には布で隠した長距離用に適した狙撃用のライフルを置かれている。
ロングスカウター:『ぼやくなライアー。ヒマなことは良い事じゃないか』
ライアー:「まあ、軍事面が平和は同感だわな。面倒が起きるのはこっちもイヤなのは確かだ」
ロングスカウターからの通信にそう答えるライアーと呼ばれた男性は横に置いていたペットボトルを手に取り、器用にキャップを開けて口を付ける。
彼もまた秋桜マキナと同じ組織の一員であり、ロングスカウターらと同じくマキナのサポートを行う役目が主な任務となっている。
直近の護衛などは彼女の乗機である【ガンクロウ】が務めているがそれ以外の所謂雑用などを彼らが担当しており、観察もその仕事の一環である。。
とは言っても必ずその仕事だけしている訳ではなく、彼らにも彼らの仕事があり、
平時の際に片手間に行っているのが主だ。
だからと言って手を抜くことはなく、プロとしての矜持を持って仕事をしているのは確か。
ライアー:「しかし、昨日の今日でまた仕掛けてくるかねぇ?」
ロングスカウター:『わからん。だからこそ我々も監視を強化しているからな』
ライアー:「この前の連中はどうなったんだよ。なんかゲロったのか?」
ロングスカウター:『尋問は行ったようだが結果は微々たるものだったようだ。ALの出処も掴めなかったらしい』
ライアー:『日本じゃまだALの本格的な導入はまだだったよな?』
ロングスカウター:『そうだ、【フレースヴェルグ】の実践導入試験から配備予定だが、それでも色々課題が存在する』
ライアー:「【ガンクロウ】の導入も色々グレーラインだからな――――」
面倒なことだな、と愚痴るライアー。
とはいえ、この前の襲撃してきた連中のALの出処を突き止めなければいけないのも確かである。
現在、日本ではALの輸入及び導入に関しては認可が下りていないのが現状でライアー達の言っている【ガンクロウ】こと【フレースヴェルグ】は日本国内初の純正アームズレイヴンとして開発されたもの。
その為、【フレースヴェルグ】をベースとした日本製アームズレイヴンの導入を目的としている以上、横槍が入ることは彼らにとってもマイナスになり得るからだ。
ライアー:「それで連中はただのPMCなのか?」
ロングスカウター:『ああ、発足したばかりでまとまった資金を欲していたらしい。今回の件に関しても高額な報酬に飛びついた結果らしい』
ライアー:「クライアントのことは分からないのかよ?」
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