日常に溶け込む “違和感”―8
ロングスカウター:『依然として不明だ。やり取りに関しても電子メールといった幾らでも対策が容易な手段を用いていたらしく、直接的なやり取りは一度もしていないらしい』
ライアー:「そんなんで良く飛びついたな・・・明らかなスケープゴートだろうに―――」
ロングスカウター:『発足して間もないからこそ実績作りに焦っていたのだろうな―――大金だけに釣られていた訳じゃない様だ』
世知辛いねぇ―――と愚痴るライアーにそうだな、と返すロングスカウター。
そんなやり取りをしながらライアーは双眼鏡で学校周辺を見渡しているとふとあるものが視線に入る。
ライアー:「お、あれは」
ロングスカウター:『何か見つかったのか?』
ライアー:「いや、単に警察のWLを見つけたモンでな」
ロングスカウター:『どれどれ――――――――これだな』
ライアーに触発される様にロングスカウターは彼の観ているポイントを調べる。
調べた画像をライアーの端末に転送し、ライアーもそれを確認する。
端末に映し出された機体は白と黒のツートンカラーをしたレイヴンで
左腕部に装備された小型の盾状のパーツに警視庁の文字がプリントされていた。
ライアー:「そうそうこれこれ!」
ロングスカウター:『カシマ重工製の警察専用WL【ピースキーパー】だな。導入そのものはここ最近だがそのデザイン人気も相まってか国内配備をする度に野次馬が
群がるぐらいには注目されている機体だな。まさしくヒロイックなマシーンだ』
ライアー:「もしかして、おまえさんの好きな機体か?」
ロングスカウター:『―――そういう訳ではない。情報招集は情報戦を行うことで
必要なだけだ』
ライアー:「そういうことにしといてやるよ。“ウチ”はそういうのはまだやってないのか?」
ロングスカウター:『民間用の機体は企画進行しているらしいがまだ軌道には乗れていないらしい。基本的には軍事面が資本だからな我々は――――』
ライアー:「まあこれに関してはしょうがねぇな・・・」
世知辛いねぇ、と再び愚痴りながらライアーは視線を学校の方へと戻す。
ちょうど授業が終わり、その合間の休憩時間らしく生徒や教諭がせわしなく動き始める。
マキナも席を立ち、ミカサらと共に授業の為に教室を移動していた。
その際にミカサ以外の学友らと談笑をしていると思われる様子。
ライアー:「―――相変わらず愛想のない表情(ツラ)してるなぁ・・・ったく、色々教えてるってによ」
ロングスカウター:『―――ライアー、前から気になっていたがスルーズ11・・・マキナ少尉に何を吹き込んでいるんだ?』
ライアー:「おい、誤解や語弊を招く言い方をするな。ちゃんとした一般常識とか
今時の若いヤツと話題作りできるネタだよ!!」
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