日常に溶け込む “違和感”―5
ミカサ:(結局、あの騒動は“事故”という形で特に話題になってなかったな・・・)
翌朝、起床した後のテレビやネットなどのニュースを見ても【アームズレイヴン】に
関しての話題はどこにもなかった。
事故の内容は【ワークスレイヴン(WL)】2台の転倒事故と書かれている。
作業用のレイヴンの動作不良が原因としての機体の転倒及び破損であると報じていた。
ミカサ:(―――転倒とかは間違ってないとは思うけども・・・)
その現場に居合わせた身としては何とも言えないと思った。
とはいえ、あの事件のことが赤裸々に明かされるのも面倒なことになってたと考えると当事者の自分としては些か複雑である。
またネットの掲示板などには今回の件に付いての鋭い指摘をしている書き込みなども
見かけた(当然否定などもされていたが)ので完全な隠蔽は難しいのかもしれないと
思った。
コジロウ:「しかし、昨夜のWLの事故は違和感があるでござるな」
唐突に話題に出したコジロウの言葉にミカサの身体が一瞬ビクつく。
彼とは中学の頃からの付き合いでいわゆるスタンダードタイプのオタク少年って感じである。
特に彼の得意としている分野は時折熱く語っているレイヴン関連だ。
明確にはロボット作品全般に造詣が深く、レイヴンに関してはとかく更に深いといった訳だ。
コジロウ:「ロボットとはつまりは人間のエゴとロマンとワガママが詰まった夢の結晶なんでござる!!」
昔、とあるロボ作品を見ててふとコジロウはそんな発言を熱弁してた。
当時はよく理解できず、若干というかかなりドン引きしてた記憶はあったが
今思うと職人気質な感じなんだろうなって思ってはいる。
ミカサ:(プラモデルも普通に作り以外にもオリジナル気質のミキシング?とかもやってるし)
コジロウはステレオタイプのオタク気質だがなんだかだとフレンドリー気質で
他人もそれなりに気配りができる(時折ネジが外れて暴走することもあるが・・・)という付き合いに関しては面白い男だと云える外見は純朴の少年である。
メイ:「どこら辺に違和感があるの?」
コジロウ:「WL限らず【レイヴン】には起動関連にしてセイフティやリミッターなどのプロテクトが課せられているの幾ら何でも不意の誤動作であっても故意で無ければ転倒などあり得ないはずでござるよ。しかも転倒現場には【レイヴン】用のキャリアーがないのすらおかしいでござるし・・・」
メイ:「はえ~、オタクはよく詳しくしってるね~」
コジロウ:「むしろオタクやマニア故に詳しく調べてしまうと言いますか。
そこから不必要な程のマウント煽りとかは論外の極みですからな」
メイ:「そういう所はコッジーの良い所だよね~」
普通に感心するメイに言葉には出してないがミカサも同意の反応を心の中でする。
マキナ:「山田くんは【レイヴン】のことが好きなのか?」
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