4冊目 星空の魔法使い



 昔々、小さな村の近くに、星空を愛する少年タクミが住んでいました。


 タクミは毎晩、星が輝く空を見上げるのが大好きでした。


 彼はいつも不思議に思っていました。


「星にはどんな秘密が隠されているんだろう?」と。



 ある夜、タクミがいつものように星空を眺めていると、ふとした瞬間一つの星がキラリと光って、彼の前に落ちてきました。


 それは小さな、でもとても輝く石でした。


 タクミはその石を手に取ると、不思議な力に導かれるように、近くの森へと歩き始めました。



 森の奥深くに進むと、タクミは突然、目の前に現れた不思議な光に包まれました。


 すると、そこには美しい魔法使いが現れ、タクミに話しかけてきました。


「その石は、星の魔法が宿ったもの。君が持っているのは、星空の魔法使いになるためだよ。」


 魔法使いはタクミに、その石を使って願い事をする方法を教えてくれました。


 ただし、一つだけルールがありました。


「この魔法は、自分のためではなく、誰かの幸せのために使わなければならない。」


 タクミはうなずき、魔法使いに感謝しました。


 タクミは村に戻ると、早速、星の魔法を使うことにしました。



 彼はいつも元気がない友達のために、「彼が明るく元気になれますように」と願いました。


 すると、不思議なことに、その友達は次の日からとても元気になり、学校でも一番の笑顔を見せるようになりました。



 それからというもの、タクミは誰かを助けたいと思った時に、星の魔法を使いました。


 病気で寝ているおばあちゃんが元気になったり、失くした大切なおもちゃを見つけることができたり。


 タクミが使った魔法で、村中が幸せに包まれました。




 やがて、タクミの優しさと魔法の話は、近くの村々にも広がり、彼は「星空の魔法使い」として知られるようになりました。


 タクミは、星の魔法を使って、多くの人々を幸せにすることができると知り、心からうれしく思いました。




 そして、タクミは自分の経験から、大切なことを学びました。


 それは、「本当の魔法は、人々の幸せを願う心から生まれる」ということ。


 そして、「自分のためではなく、人のために何かをする喜び」こそが、最大の魔法だということでした。


 星空の下、タクミはこれからも魔法使いとして、人々の幸せを願い続けることを誓いました。


 そして、星空はいつも、彼の優しい心を見守り続けているのでした。


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