第31話 変化の指輪  

回収した剣の一本を取り出して見ている。鑑定! 

*光剣シャイン

・片手剣、片刃、刃渡り60cm

・光龍の加護(使用者制限:要:龍の加護)

・魔剣(光魔法強化)斬撃、光刃、光射、光弾、不殺

・不壊、清浄、

・浄化、解呪、回復 


二つほど気になった。龍の加護 と 不殺?


龍の加護は、私は氷龍様の加護を持っているから、この剣を使えるってことだよね?

なんで?こんな剣があんなところにあったんだろ?

まさか・・・氷龍様が仕組んでくれてるの? 私も剣を使えと?

確かに、丸腰よりは、少しは冒険者らしく見えたりするんだろうけど・・・

背中に背負っておけば邪魔にはならないし、駄目なら鞄にいれてしまえば良いか。

幸い、全長1mも無いし、斬撃仕様だから剣を直接当てたりする必要もない・・・よね。

それに・・・


不殺って何? 剣なのに殺さないの? 鑑定!

光魔法で、相手の脳に振動を与えて気絶させる。

ただし、剣が当たった場所や斬撃が当たった場所には、それ相応の刺激、痛みがあるし、剣戟が強い場合には、相手は腕や脚、首を切り落とされたと感じたまま気絶するようだ。

不殺効果を有効にしてこの剣で斬れば、殺さない、ってこと?・・・


ムンクが戻ってきたね。

(あるじ~ 洞窟の中にね、こんなのが落ちてた~)

渡されたものは指輪。いろいろ探し回ってたのかな?


*変化の指輪

・龍の加護

・付加スキル:変化、自動結界、認識阻害、


(あれ? ムンク? この剣やこの指輪に氷龍様の気配がするんだけど?・・・)

(そう? 違うよ!~~)

(ねえムンク、あんた、私をここまで来させたかったの?)

(違うよ~ なんとなく、魔物の気配がしただけ・・・)

(そう?)(うん!) まあ、良いや・・・


えっと・・・変化の指輪の使い方は、鑑定!してわかった。

早速やってみる。少し年を取った姿、50歳くらいで、顔も、髪色も目の色も服装も・・・声も、全部変えよう・・・変化! 


近くの水面に写してみた・・・・驚き! これが私? 全くの別人だね!

面白いわね、しばらくこれでいきましょ・・・



洞窟前から、三人が動き出したようだ。そうそう、そのままギルドへ帰って報告をするんだよ・・・

ちょっと反対側からすれ違ってみようかな。ムンクには少し鞄に入っててもらうよ。


転移して三人に向かって歩いていく・・・

「こんにちは~」

「はい、こんにちは・・・ あの?すみません! スライムを連れた女性を見ませんでしたか?」

「いや・・・残念だが、見てないですよ・・・」

「そうですか・・・」


よしよし、私だってことは分かっていないね、まあ、自分で見ても別人だし・・・

三人はそのまま早足で街道方面へ進んでいったよ。無事で良かったね・・・



さて、ゴブリン洞窟前まで転移! 移動してきた。

魔石は回収済みだから、あとは死体の始末をしよう。おかしな魔物が集まってこないようにしなければ・・・


さきほど集めたままになっているので、ムンクに結界で囲んでもらってから、火魔法・火炎を4発結界の中に放り込んだ。

良く火が回るように、結界内に風魔法で風を送る・・・


死体が燃え尽きた、跡形も無く。



*冒険者ギルドにて 


「ゴブリンの調査に行ってまいりました~」

「ああ、ご苦労、で?どうだった?」

「・・・ええ、実は・・・」

「何だよ、話しにくいことか? なら、俺の部屋に来い!」



「実は、依頼のあった村まで行って帰ってくるときに、川っぷちで、突然ゴブリンの群れ6匹に襲われました。そのときに、私たちを先に逃がしてくれたサラが、ゴブリンたちに掴まってしまって・・・ わたしたち二人では何もできそうにないので、サラには申し訳ないけど、とにかく急いで、誰か、助けを・・・と走って道を戻っているときに、一人の女性に出会って・・・

『助けて!』って話をしたら、『私に任せなさい!』って私たちに魔法をかけて落ち着かせてくれて、そのまま・・・・どうやら私たちはよほど疲れていたのか? 少し眠ってしまったようです」

・・・

「目が覚めて、私たちも気分が良くなったので、彼女に言われたように、後を追ってみたんです」

・・・

「そしたら、前から、その人が現れて、『サラさんは無事だよ、今、ゴブリンの洞窟前で休んでいる』・・・って・・・」

・・・

「川を渡って、彼女に付いていきました。ゴブリンたちが積み上げられていて、サラがその近くで倒れていたんです、でも、眠ってるだけでした」

・・・

「それだけです」


「うん?その彼女がやったのか?」

「いえ、私たちも見ていませんし、彼女が言うには、既に誰かが、ゴブリンの洞窟をきれいにして、中にいたサラさんを助け出してくれたのだろう・・・と言ってました」

・・・

「それで、ゴブリンたちは?」

「はい、洞窟の前に山積みになっていて全部死んでいました、一匹大きいのがいましたが、彼女は、ジェネラルが居たって言ってました」


「そうか・・・まあ、なんだ・・・お前たち無事で良かったな! で、その彼女は、スライムを連れていたんだな!」

「「はい!」」


「よし、わかった、受付で報酬を受け取れ、お疲れさん!」

「「「はい」」」  「では、失礼します!」


どう、考えても・・・ヨシノだろ? すまんな! ありがとうよ!






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