第27話 盗賊サブボス・サロモン
私も、一日の終わりには、辺境伯領の冒険者ギルドの宿泊施設に戻るようにしていたよ。商隊が出発したと同時に私まで行方不明では、いろいろ勘ぐられるし・・
「ヨシノ、最近はどこへ行ってるんだ?」
「特に予定もなくですが?魔の森ですかね・・」
「そうか・・まあ、万が一ということもある、気をつけろよ!」
「ええ、そうしますよ、気を使っていただいて、ありがとうございます。
ところで、今日は、朝から騒がしいんですね! 何かあったんですか?」
「いやあな、昨日、指名手配中の盗賊団がまとまって捕まったんだよ・・・
いろいろ前科の多いやつらだったがな・・・そんな連中の取り調べが行われる間だけ、俺たち冒険者が門の警備を補助するってことになってな、まあ、慣れない仕事だしよ、大変なんだよ・・」
「それはとんだとばっちりですよね~」
「まあな、でも、賞金首が3人もいたんだ。一人は元Aランクだがな」
「えっ? Aランクの賞金首ですか!~ 盗賊団ですか~? それって、ひょっとして、私の居た村の消滅に関わるような情報はないでしょうかねぇ?」
「ああ、そうだったな・・・まあ、警備兵に聞いといてやっても良いが、あまり期待しないでくれよ?」
「ええ、わかりました。気長に待ちますよ・・・じゃあ、私は出かけますから!」
「ああ・・・」
今日も、あの商隊の様子を見に来たけど、まあ、魔物に襲われても、魔狼が5匹くらいなので問題なく倒して進んでいるようだ。
既に、イスト伯爵領から出立したところ。
ゴロたちが捕縛した3人の盗賊たちはイスト伯爵領の警備隊に引き渡されたようだね。
残りは、ポーラー伯爵領で取引をおこなえば、終わり。
なんだけど、ポーラー伯爵領を出た街道のところで、待ち伏せしてる奴らがいる。
盗賊団だね、人間が8人潜んでいる。
昨日と同じ盗賊団なのかな? ボスはもう捕まったからいないんだけど・・・
きっと、事前に予定されていたのだろうか? 最後に追い詰める仕事を任された連中のようだ。
*
あれ? おかしいな、ボスたちは失敗したのか? 商隊の連中はみんな元気にやってくるではないか・・・
そうか? これで俺もボスってことだろう・・・これは心してかからねばな。
つまり、あの護衛の連中は、あのボスを倒す実力がある、ってことだろ?
俺も最大魔力で対応すべきってことか?
まあ、闇魔剣の餌食になってもらおう! 俺の闇結界の中で、分けも分からずくたばってもらおう! あははは・・・ 俺はボスみたいに力を弄ばないぜ! 初めから最大魔力で行かせてもらおう!
*
ここにも、一人レベルの高い者がいる。
▶サロモン
・レベル250
・南の森盗賊団サブボス
・剣術
*ミスリル闇魔剣:闇属性魔法強化:闇刃、闇結界
*指輪:(簡易鑑定)の指輪
*魔法鞄:容量・小、時間停止
なるほど、サブボスもいたんですね・・・
あの魔剣は少し危なそう・・・闇結界に閉じ込めて相手を無力化する・・・
第二馬車のBランクのサイラスでもレベル220、彼の結界スキルで闇結界を破壊できるの・・・・? レベルの差があるなら無理だよね~
まあ、ここは、先に潰しておきましょ。
ムンクが姿を消して飛び出していって、まずはサロモンの武装解除、剣や指輪、鞄などを回収してくれたので、一団に向けて、気絶!をかけた。
そのまま鞄に収納、回収しておいた。
<地図>で、周囲を確認するも、悪意気配はないみたい。これで終わりなの?
昨日と同じように、南門前に、落雷!氷霧!を出して、その中に8人を出して、そこから離れた。
今日は、いきなり荷馬車が走り寄ってきたよ。警備兵もしっかりしてるね、二度目だし・・・
終わった・・・。
ムンクと、魔の森の西の馬の給水場のところに移動してきたよ。気配では魔物はいない。
ここは、水もあるし、良い休憩場所なんだけどね、魔物対策さえしてあれば。
そうだ!
スワンドからの回収品の中に、魔物除けがあったよ・・・
ムンクに言って出してもらった。
(ムンク?これ効き目あるかな~?)
(ああ、半径10mくらいは効くんじゃない?)
と、言われるので、とりあえず手首に付けてみた。
(あるじ~良いけどさ~、気配察知のほうが確実だよ?)
ははは、そうですね・・・分かってるって! なんとなく、腕輪をしてみたかったのよね。
(次は、これ!)って、スワンドと、サロモンの魔法鞄を出してくれた。
私がやりたいこと、よくわかってるよね~
*スワンドの魔法鞄 容量・大、時間停止
・エトワール金貨 800枚、銀貨300枚
・魔物寄せ魔石 5個
・魔物除け腕輪 3個
*サロモンの魔法鞄 容量・小、時間停止
・エトワール金貨 400枚 銀貨200枚
・オークの魔石8個
幸い、商人から奪った物は入ってなかった。おそらく、個人の取り分としての金貨などだろうね・・・
それにしても、他人の魔法鞄なんだけど、中身が分かって、出し入れも出来てしまった・・・
(それは、レベルの高い者が手を触れれば所有者を変更することができるからだよ・・・)
ということは、現在これらの鞄の所有者は私ってことになってるんだ。
これ、人に売ったりするときはどうすればいいんだろう・・・
(魔力を多く纏った手で触れながら、所有者を消去すれば良い・・・)
なるほど、魔法って便利なんだね。
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