第25話 3日目・オークの襲来
早朝6:00集合で、商隊の3台の馬車と冒険者たちがエスカ領の南門から出て東に向けて進んでいる。
<地図>で確認しているけど、門を出てから魔物に付けられている。しかもその先の下りの谷道のあたりに魔物が潜んで待ち伏せしてる。
オークだよ。
それに、どういうわけか、山の中からここに、どんどんオークが集まってきている。
魔物寄せの効果が出ているようだけど、商人たちは、後ろの荷台なんて確認してないのかな? まあ、小さな石ころじゃあ見逃してしまうか・・・
私? 別に・・・特に何もしないよ・・・目立ちたくないし、表には出ないからね・・・
出来たら、盗賊団のボスやら、魔道具屋との繋がりやら、その先の繋がりとかの証拠も欲しいし・・・
結構大がかりな犯罪組織のようだし、スラムも絡んでいるし・・・
何といっても南の森の盗賊団は、私のいた村から遠くはないし、関係があるのかもしれないし。でも、あんな貧乏村を襲って燃やしつくすまでするような理由は分からないけど・・・
「ゴロ、後ろを付けられてる気配、これはオークみたい・・・」
「なんだって? オークに付けられてるのか・・・」
(サイラスさん、どうやら、後方、オークに後を付けられている模様・・・)
(分かった、引き続き警戒しててくれ!)
(ナダル、前方は異常は無いか? どうやら、後方、オークが後を付いてきてるようだ・・・)
(今のところ感じないが・・・分かった、警戒レベルをあげておこう)
・・・
(いや、また魔狼が数頭だが、前方からこちらに接近してきている!)
(分かった、馬車には結界を張っておこう、魔狼との遭遇時には連絡を! 油断するなよ!)
(了解・・・)
前方で魔狼の襲撃が始まった・・・
(ゴロ、そっちはどうだ? オークの様子は?)
(オークはまだ付かず離れずです・・・我々の様子でも見ているのでしょうか?)
(そうか・・・)
(サイラスさん、現在魔狼と戦闘中・・・合わせて前方からオークの気配が大きくなってきてます・・・・)
(こちらゴロ、後ろのオーク数頭、走り寄って来てます・・・)
魔狼の襲撃に合わせたように、オークが前と後ろの両方から攻めてくる。ここは、谷筋だから、横には逃げられない。挟み撃ちにされる・・・・
後ろからはオークが3頭、前からはオークが6頭と魔狼が6頭。
一番馬車に魔狼が攻めかかる、商隊の前進が止められた。
合わせて、三番馬車の後ろから、3頭のオークのうち2頭が攻めかかった。
一頭、少し大きいやつは様子見? なんか余裕だね・・・
そこへ、一番馬車前方から、オーク6頭のうち4頭が攻め込んできた。2頭の大きいオークは動かない、様子見みたいだ・・・
ゴロの所では、なんとか2頭を抑え込んでいるが、撃破できるほどでもない。ネネの魔法も弾かれて効いていないし、ジロの剣捌きにも疲れが出ている。
前方の4頭に対するナダルたちに二番馬車からカレランが応援に入って剣士3人で4頭の相手をしている。
ニゲルの剣が逸れた瞬間にエレンがオークの腕払いで吹き飛ばされた。
助けようとしたナダルだが、別のオークに体当たりされてよろけて、更に蹴り飛ばされている・・・
前線がヤバいことになってきてる・・・・
ここは少し手を出しておきましょう!
気配を消したまま、まずは前線の後方で待機している、オークのでかい奴2頭に、凍殺!そして鞄に回収しておいた。
待機しているはずの2頭の気配が消えたのを察したのか戦っている4頭のオークたちに乱れが出てきたようだが、いまだ状況は改善されていない。
その4頭を対象に指定して、軽く催眠!をかけておいた。あとは・・・大丈夫よね?
後ろのゴロのところでも、ネネとミヤが戦力外になりつつある・・・
2頭のオークを対象にして、軽めの催眠!をかけて、さらにその後ろに転移で回り込んで後ろから凍殺!で、でかい奴を鞄に回収しておいた。
「あっ、後ろで待機していたオークの気配が消えたよ!・・・・」
「そうか、こいつらも、ふらふらしだしたしな・・・今だ! ネネも魔法で応援をしてくれ! ジロ! この機を逃す手はない!」「「おおお!~~~」
結局、前線のオークたちが弱ってきたところで、二番馬車のバレンド、サイラスも前線に合流している・・・
ちょうどいい、(ムンク、残り2個の魔物寄せ魔石も回収してくれる?)
(はいよ~)
*魔物寄せ魔石を2個回収
終わったようだね・・・
「なんかなあ、エレン、途中で後ろに潜んでいたオークたちの気配が消えたんだが・・・」
「そう? よかったじゃん、あのままじゃあ、またヤバかったよね?」
「そうか、オークの気配が途中で消えたか・・・・・逃げたのか?」
「ははは、サイラスさんよ、それは無いぜ! あれは絶対に最終戦の様子を伺ってた連中だと思う・・・」
「そうか・・・まあ、みんなよくやったよ・・・お疲れさん。少しここで休憩しよう!」
「ああ・・・」
「それにしても・・・何だよ!?あのBランク、俺たちの形勢が良くなったころに応援に来るって・・・もっと、早く来てくれても良いだろうに・・・・」
「ナダル! ここで、そういうことを口に出しちゃ駄目だよ! それに声がでかい!聞かれるよ」
「ああ、悪い・・・つい!」
まあ、休憩の前に、道に斬り捨てられたオークや魔狼の死体を移動するなり、回収するなりしないと、馬車が進めないよね・・・みんな疲れた身体で、オークや魔狼を引きずって道を開けている。
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