第7話 西へ向かう  

魔法鞄を検証しよう。


既に中身がたくさん入っているけど、私のは容量・中ということで、まだまだはいるらしい。ムンクが言うところでは、

(まだ、あと大きな屋敷なら2件くらい入るんじゃないかな?)


凄いな、魔法鞄、そんなに入るんだ。しかも、今でもたくさんお金が入っているのに、全然重さを感じない。鞄自体の革の重さより軽いんじゃない? 


(あるじ~ 預かってるお金とか剣とか渡そうか?その鞄に入れておけば?)

まあ、そのままムンクに預かってもらってても問題はないんだけど、・・・そうだよね! ムンクの収納は、もっといろいろ活用したいし、してあげよう!

村長のじい様の巾着袋と、ゴブリン・キングの部屋にあった大剣を私の鞄に移動させてみた。


しかも、鞄に触れるだけで中身が分かるし、特定の物を思ってみれば、それの詳細まで分かる。

今、移動した大剣のうちの一本には、<自重軽減>なんて魔法を付与してあるものがあったので、それを出して持ってみた。

確かに! 私でも持てる。 でも、使わないし、まともに使えないし・・・そのまましまっておこう!


*大剣 ライトニング 

・ミスリル製

・自重軽減

・光魔法強化:斬撃、光刃、光射、光弾、

・光魔法:浄化、清浄、解呪、解毒、


なんていうもので、ムンクが言うには、素晴らしい剣らしいよ。光魔法だから希少だって。


そういえば生活魔法で光は<ライト>だよね、照明。強くやれば、ピカ~って<フラッシュ>もできるらしい。

そうか・・・相手の気を惹くこともこれでできそう。


しばらく進むと、どうやら森から出れるみたいだけど・・・

いま、このあたりはどこなんだろう? ムンクは分かっているようだけど、なんか・・ここはどこか知りたい、なんて思っていたら、目の前に<状態>が表示された。

驚いた! 地図が現れた。


*<状態・地図>  


凄くおおまかだけど、私のいた村も、ムンクと出会った森も、そして今通ってきた森も地図に表示されて見えてる。

な~んだ~まっすぐ通ればよかったんじゃない! 

森の中は、小川に沿って、やや北に向かったようだけど、ムンクがオーク村を目指してくれたお陰で通常ルートに戻れたんだ~

まあ、結果良し、ってことだよね。

いろいろ収穫もあったし、レベルアップとか、魔道具とか、金貨とか。


それで、地図を見る限りでは、恐らく目の前に見えている道を進めば大きな街へ入る南北の道との交差点に出られる。

地図には、<ボランド辺境伯領>って書いてあるし、今通ってきた森は<魔の森>、ムンクと出会った森は<東の森>って出てる。なんかこれ便利!

と、なんとなく頭にいれたところで、地図が消えた・・・


あれ? どうやったら出せるんだろう? 辺境伯領までに危険な場所とかはないのかな?

<状態?>

出ました! なんか、地図を出せるようになったみたい・・・

それで、現れた地図に赤い印が2か所ついている。これって? 私が心配した危険な場所ってこと?


(ははは、あるじ~凄いね、を出せるようになったんだ~)

(うん、なんかそうみたい)

(良かったじゃん! 今見えてるその赤い印は、あるじが見たいって希望した場所の印みたいだね)

そうか~ ならやっぱり、ってこと!?


避けて通れる道も他に無いから、このままこの道を進むしかない。

まず、一か所目は、森を出て割とすぐのあたりで道の南側。二つ目はしばらく道を進んで北側へ折れたところ。でも、この2か所目は、その道を通らなけれ良いよね・・・


さて、一つ目の危険って何があるんだろう? 魔物か? 盗賊か・・・

見えてきた。でもあれは馬車とかの馬の為の給水場だよね。まあ、水があれば魔物も集まってくるし、人が立ち寄る場所なら、魔物も盗賊もいておかしくないか~


私たちも、水を補給しておこう。竹筒に水を一杯にして私も、ガブガブと多めに飲んでおいた。

まあ、お腹がチャポンチャポンってなってるかな? あははは・・・


(あるじ~集まってきてるよ?)

えっ、なんだって? 何も感じないけど? 何が?集まってるの?


気配は・・・ない。音は・・・ない。 えっ?何が来てるの?


そうか! 危険を表示!って思ったら、<地図>があらわれて、赤い印が8個も私のいる水場をとりまいている。

表示では魔狼。

魔狼かぁ~ どうしようか・・・・


いつの間にかムンクが奴らの後ろに回り込んでいたようだ。

魔狼たちの後ろの方で、ピカ~って光って、バリバリドカ~ンって大きな音がして雷が落ちた。


恐る恐る近づいていくと、魔狼が8頭、ひっくり返っている。

(あるじ~軽めの落雷だからまだこいつら息があるからね、止め《とどめ》を!)

別に、ムンクが始末してくれても良いのに~・・・


まあ、用意はしていましたよ、何があってもいいようにね・・・すでに魔力は手に集めてあるからさ。

氷針!を使って、8頭のそれぞれの眉間に丁寧に的を定めて氷針を打ち込んでおいた。

やったね! 全部命中、的を外したものは無かったわ。


(あるじ~ 的当ての命中率は良くなったけど、もっと、素早くやんないと、スキを狙われて襲われるよ~)

はいはい、そうですね、その通りです。


魔狼たちの死体はムンクが全部収納してくれた。


*魔狼8頭


まあ、少し水場で休憩していた。

少しして、向こうから馬車がやってくる。良かったのかな? 馬車が襲われなくて・・・


「こんにちは、冒険者の方ですかな?」

「いえ、旅人です」

「ああそうですか、このあたり、魔物がよく現れるんですよね、水場ですから。見ませんでしたか?」

「ええ、幸い、遭遇はしていません」

「そうですか、それは良かった。私は、商人で、南の森の周辺の村々に商品を届けに行くんですがね、こういうものは必ず持ち歩いているんですよ」

なんて、腕に装着された腕輪を見せてくれた。<魔物除けの腕輪>なんだって・・・

「へぇ~そんなのがあるんですね・・・」

「ああ、これのお陰で何回も助かっていますよ」

「そうですか、まあ、この先も大変でしょう、お気をつけて!」

「ああ、そうですな、お互いに気をつけましょう!」


*魔物除けの腕輪 


商人さんと別れて、私たちはそこを離れて、また西に向けて歩き出した。

南の森の村々か~ じい様の村はそういえば何だっけ? 村に名前なんてあったのかな・・・


そろそろ見えてくるはずだよね、北へ向かう道との交差点、これを曲がっていけば辺境伯領の東門へ行けるんだけど・・・

<状態?>で地図を出してみる。

その場所を詳しく!って思ったら、その場所のあたりが拡大されて大きく詳細になった。こんなこともできるんだね・・


その道を北に入ったほとんどすぐのところに赤い印がついている。

これは、避けては通れなさそうだね。




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る