第6話 ゴブリン村のお宝
ムンクのレベルとか異常すぎて見られたらまずいと思って聞いてみたら、
(うん? 僕は、ただのスライム? レベルは30くらいで高め?あとは見えないよ!)
なんて言い残して、ムンクが村の中へ転がっていった。また何かを見つけてくるのかな?
早い! 戻ってきた、空振りなの?
(あるじ~キングのお宝があるよ! 欲しい?)
(なんだって? そんなのあるの?~)
(あるよ、人間達を襲って奪ったものや、いろいろ・・・)
そうなんだ、焼けた村から金貨を拾うようなものか・・・・
場所は、ゴブリン・キングたちがいたらしいぼろ小屋。
中に入る。かなりキツイ獣臭だね・・・
ムンクが、ヒールとクリーンをかけてくれた。
生活魔法だよね、私も使えるはず・・・練習しなければ・・・
鎮静化と清浄化・・・自分に向けて、クリーンをかけてみた。
ああ、獣臭が気にならなくなった、これで落ち着いていろいろ探せる。
キングがいたであろう場所の壁際には数本の剣が立てかけてある。全部大きな剣だよ。
私には使えそうもない・・・剣術なんてそもそもできないけど。
一応、ムンクに収納してもらう。なんでも入るし。
キングが座っていたであろう枯草の中に指輪が数個落ちていた。
*指輪魔道具など
<状態?>
*指輪:瞬歩
*指輪:回復魔法
*宝石指輪:ルビー、サファイア:各1個
まあ、確かに指輪なんて、ゴブリンのごつい指にははまるわけないじゃない、人間から奪ったものだね。
あとは、部屋の隅に、真っ黒な鞄が転がっていた。
ムンクが見つけて、ピカピカ光って跳ねているから、良い物なんだろうか?
<状態?>
*魔法鞄
・容量・中、時間停止
(あるじ~その鞄に手を触れて、魔力を流してみてよ)
(うん? 魔力を流すって・・・そうか、手に集めたものを飛ばさないで、その手で触れば良いのかな・・・)
と、やってみた。そしたら、再度<状態>が表示された。
*魔法鞄
・容量・中、時間停止
・所有者登録:ヨシノ
・エトワール金貨:1000枚
・エトワール銀貨:2000枚
・エトワール銅貨:1000枚
・3cm宝石玉:ダイヤ、ルビー、サファイア、エメラルド:各3個
何と、所有者が私になって、中身がわかった。けど、これ凄くない?
エトワールって何? 国の名前なの? 金貨や銀貨、凄い数が入っているの?どこに?
試しに、金貨2枚取り出すって思いながら鞄に手をいれてみた・・・・金貨2枚出てきた!
あれ、これって? 村長のじい様の金貨と同じ模様だ。そうか、これ、使えるお金なんだ・・・
*エトワール王国
あれ? 一気に金持ちになった? ムンク、ありがとう!
ピカピカ光って踊ってるよ・・・
(ムンク! ありがとう!) ちゃんと言っておかなくちゃね・・・
魔物の村って、馬鹿にしちゃぁいけないな、魔物のくせに村?とか言って済ますべきではない。これは、お宝の宝庫の予感がする。ということは、人間を襲って、物を集める癖のあるようなのが狙い目なの?
ムンクが言うには、ゴブリン、オーク、オーガなどが良いらしい。
今回は良い物があったけど、普通は、ゴブリンのお宝はそれほどでもないんだって。
オーク村のお宝は、あれば、良いものがあるらしい・・・
指輪が面白そうだね、瞬歩と回復魔法。
これって、これがあれば、そういうスキルや魔法を使えるの?
ムンクに聞いてみたら、
(まあ、瞬歩はそのうち、僕からあげようと思っていたけど、手っ取り早く、その指輪を使ってみれば? 回復も付けておけば良い、それは指輪を付けているだけで、そういうスキルや魔法を持っているのと同じことだから、使えるイメージが湧けば、すぐにでも使えるから・・・)
おおお~~、そういうものなの? 魔道具というらしい、これ素晴らしいね。他に、腕輪や首輪なんてものもあるらしい。
魔石にそういう魔法を組み込んだものもあるんだって・・・
なので、さっそく指にはめてみた。ちょっと緩いかな?って思ったけど、あれ? 勝手にサイズが変わるのね、ピッタリになった。素晴らしい。
(ああ、それ、サイズ自動調整が付けてある、良いものだね・・・)
そうなんだ~
*瞬歩の指輪
(ムンク、瞬歩ってできる?)(うん) ちょっと見せてよ?)
(良い? ちゃんと見てなよ・・・)
って、いきなり、遠くに見えていた大きな木のところまで移動して、今度は、こっちに移動してきた。
えっ? 何? 瞬間的に移動できるんだ~
(ああ、でも、転移とは違うからね、ただ素早く移動してるだけ)
(そうか・・・でも、何回も繰り返せば・・・遠くまで素早く行けるよね?)
(まあね・・・もっと良い使い方もあるよ、自分に身体強化をかけておくことだね・・・)
(ふん? ・・・ああ、そういうこと! 分かった! 私も、この体自体で身体強化できるし・・・)
(瞬歩は戦闘にも使える。もともとはこっちが本命。一気に相手との距離を詰めての至近距離からの攻撃。また、寄られたら瞬時に下がって間をあける。更に横移動して攻撃を避けるなどなど、使い道は多いよ・・・)
私も、ムンクが移動していったさっきの木のところまで瞬歩! できたわね・・・
走るっていうよりは、移動してるよ?
(これって、ひょっとして、自分のレベルが上がったりしたら、もっと早く遠くまでできたりする?)
ムンクが、ピカピカ光ってる・・・
まあ、もとの場所に戻ったけどね・・・ これなら、もう少し森を歩いても良いかな・・・?
指輪の回復魔法は、生活魔法の鎮静化のヒール以外に、回復、治癒も含まれていて、病気にも怪我にも効果がある。農業などの土壌の回復にも使えると教えてもらった。今度からは、ちょっとした擦り傷や切り傷くらいは自分でも治せるのかな・・・
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます