第5話 森を進む 

夜は良く眠れた。どうやらムンクが私に<ヒール>という鎮静魔法を軽くかけてくれたようだ。ありがとうね。

そして、朝、洞窟の外へ出てみて、驚いた。

魔物が数頭、山になっている。ムンクだよね、感謝!


獲物は、魔狼5匹、ゴブリン3匹、魔トカゲ2匹だった。

魔狼と魔トカゲは初めての遭遇だね。魔狼は前にも遠目では見たことがあったけど、今は目の前で横たわっている。案外大きいんだ。でも、村の人たちは、魔狼の肉は固くてまずいって言っていたし、魔狼の涎には、呪い毒が含まれていることもあるって・・・でも、毛皮は売れるって・・・

魔トカゲも皮は売れそうだよ。


ムンクが(これ、昨夜ここに集まってきた連中、やっつけておいたよ)だって。

そのまま収納している、全部。

あれ? 成果を私に見せるために積み上げておいたの? 

それに、そのまま収納したけど、魔狼の唾液とか・・平気なの?

ムンクに聞いてみたら、(そんなの、僕の収納内ですべて無毒になるから平気)って言われた。

(でも、魔狼の肉ってまずいらしいよ)

(そう? あるじが食べないのなら、解体して肉だけどこかで捨てよう!)ってさ・・・


魔トカゲの肉は美味しいらしい。今度食べさせてもらいましょ。



今日も、ムンクの案内で森を進む。

途中、小川から離れて進んでいるけど・・・? ああ、やっぱりね、見えてきてる。

ゴブリンが集団でいる場所。なんで、ムンクはこういうところをわざわざ通るのかな~?


(あるじ~ このゴブリンの村を潰してしまおう! 今日はできるだけ、あるじに止めを刺してもらう予定です!)

おお、それは・・・強制ですね、わかった、やってやろうじゃないの!


村の入口で、ムンクが、ピカ~ゴロゴロ・・・ってあれは雷なの? 派手に挑発してる。

そらね、ゾロゾロ・・村の中から表へでてきてるし・・・

そこへムンクから魔法。どうやら<催眠>らしい。

出てきたゴブリン6匹が、フラフラして地面にへばりついている。

(あるじ~今だよ、止めを!)


任せて!なんて言えないけど、氷針で、6匹それぞれの眉間を狙う。2匹は外したけど、目と鼻に命中。でも・・・何となくイヤなので、もう2発、氷針で慎重に眉間をぶち抜いてやったわ。

(あるじ~ 良くなってるね~!)

はい、あなたのおかげですよ、ありがとう!


村の中に進む。

もう一回、ムンクが雷で挑発、今度は連続で3回の落雷だよ。

また、中からぞろぞろ出てきてる。今度は8匹だ。そして同じように、眠りながら膝まづいている。

なので、私が止めを刺そう! 氷針で、今度は慎重に確実に眉間に穴を開けてやったわ!


(さて、あるじ~ 村の奥にまだ出てこないやつが3匹いるから、奥まで入っていくよ・・・)

これは・・・付いてこい!ってことだよね。


確かに、一番奥のぼろ小屋の前で、3匹が並んで、私たちを待っているのかな?

しかも、この3匹、みんなでかいな~ 身長は250cmってところだね。


(あるじ~真ん中がゴブリン・キング、両端が、ゴブリン・ジェネラルだよ?)

うん、わかってる、私の<状態?>も教えてくれた。

しかも、キングなんて、レベル160ってあるけど、あれ? 私よりレベルが大きいよ。私に倒せるの?

(大丈夫、今のあるじにならキングでも倒せるから、僕が隙を作るからその隙にキングをやっつけて!)

はいはい、了解です。魔力を練り込んでおこう、魔力強めで発射できるように・・・


ムンクが、3匹に催眠、おお~さすが!ゴブリンの上位種、少し効きが悪いのかな?

でも、目がうつろになってる、今だ! 氷針! 2連発! キングの眉間を狙って、2連発で撃ってやったわ。

一発目は、少しはずした? いや、少し避けられたかな? でも、2発目がキングの眉間を追って、穴を開けていったさ・・・

同時に、両隣のジェネラルが、立ったままで死んでる。

分かったよ、あれは、<凍殺>だ。脳を凍らせたんだ~ 出血はゼロだね。


(あるじ~ みごとだね! やったじゃん!)


ふう~~、私にもできた! 魔法を使って・・・・あっ、少しクラクラする・・・・

と、ムンクから気持ちの良い回復魔法が飛んできた。


(あるじ~レベル上がってるでしょ?そのセイだよ、そのクラクラ・・・)


うん? そうなの?

<状態?>

▶ヨシノ 村人 人間 

・レベル 150ー>200※

・魔力量 250ー>350※

・氷龍の加護(状態異常無効、氷雪魔法スキル、レベルアップ上昇補正、言語理解)

・竜革製の身体(防御効果大、清浄、身体強化)

・スキル:従魔契約 (スキル・魔法共有)

・従魔契約:ムンク(白色スライム)

・魔法:生活魔法、氷雪魔法

・魔法:氷針、風刃※


おお、凄い上がりかた・・・加護のお陰かな?

そうか~それで、レベル160のキングでも平気だったのか。



今まではゴブリンの死体になんて興味のなかったムンクが、キングとジェネラルの遺体を収納してる。

ゴブリンなんて食べれるの?

(ああ、これはね、僕の<暴食>っていうスキルで食ってるんだよ、いろいろスキルや魔法をもってそうだから、僕が得ておけば、あるじも使えるようになるしね)

へぇ~ <暴食>かぁ~ こういう風に使うんだ・・・


それで、ムンクが得たスキルなどは・・・・

*暴食スキル 

・身体強化、剛腕剛力、

・瞬歩、跳躍、

・支配、統率、


これらが、ムンクの<表示>に追加されていた。

▶ムンク スライム  

・レベル400、魔力500※ 

・氷龍の使い魔 白色スライム 

・氷龍の加護 

・ヨシノの従魔、核2個 

・スキル:暴食、収納、鑑定、念話 

・魔法:氷雪魔法、生活魔法


*暴食取得スキル ※ 

・身体強化、剛腕剛力、

・瞬歩、跳躍、

・支配、統率、


ムンクのレベルも爆上がりしている。このスライム、絶対に秘密にしなきゃ・・・

ムンクにそう言ったら、

(大丈夫、僕の<状態>を見れるのは、あるじと氷龍様くいらいだから・・・)

(そうなんだ~、じゃあ、普通の鑑定ができる人にはどう見えるの?)

(うん? ただのスライム? レベルは30くらいで高め?あとは見えないよ!)

ははは、なんか面白いな、よくわからない仕組みだけど、まあ、本人がそう言うんだからそうなんだね。



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