おしまいに
世界中でヒーロー映画が楽しまれているのに、日本にだけはそこまで響いていないらしい。ああいったスーパーマン的な救世主のイメージをハナから嘲笑うような性格が日本にはあって、それが正義への信仰を阻んでいるんだろうと思う。その最先鋭が、野坂昭如の言ういわゆる『焼跡闇市派』である。
野坂昭如、色川武大、吉行淳之介などなどが挙げられる、公的機関が一切機能しないある種の人工スラムだった戦後の混乱をしのいだ『焼跡闇市派』は、定義づけられることを拒んだまま、たち昇る人間性を追求する。この雰囲気は現代にもそのまんま続いていて、みうらじゅんとかマツコ・デラックスなんかが代表的な現代の『焼跡闇市派』ではないだろうか。文章を書くことだけが文学ってわけじゃない。
焼跡闇市派は、あらゆる信仰をうしなった異形者達の文学だ。居場所の文学について考えるうえで、ヒーローアメコミと焼跡闇市派の二峰を避けて考えたんでは嘘である。だが何故かそうしたかった。
毎日ナンカカク 椎名めぐみ @siinamegumi
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